中国って、本当のところどうなの?

第14回
中国の大学、気になる世界ランクは?

さて、地域ごとの大学勢力図を俯瞰したところで、
今度は各国ごとの状況を見てみましょう。

−国別の統計−

首位を独走するアメリカは、
世界500位以内の大学に168校も送り出しています。

我らが日本の大学は、東京大学を皮切りに
トップ500の中に34校が顔を覗かせている程度です。
ただし、これは国際的には決して少ない数ではありません。
アメリカの圧倒的な数の陰に隠れてしまってはいますが、
世界的にみれば健闘している方でしょう。

しかし、この国別の大学勢力図も
10年後、20年後には状況が一変している可能性があります。
日本の大学は少子化などから
経済的な基盤が揺らいでいますので、
全体としては次第に弱体化していくことが予想されます。

逆に、経済発展が著しい国では、
研究費用なども潤沢に流れ込んでくることが考えられ、
これからの成長には期待がかかります。

ソフト・パワーの質を決めるのは、
かけられる資金力に比例しているところがあります。
世界ランキング1位のハーバード大学には、
2.2兆円もの運用基金があるとされています。
これをアメリカの利率で運用すると、
毎年、数百億円の利子が大学に入り、
人件費や施設の整備に充てられています。

こうした世界のトップ・スクールでは、
質の高い教育を受けた卒業生が社会で活躍し、
大学のブランド価値を高め、
各種組織からの寄付金が集まり、
更なる教育の質の向上に注力できるのです。

−世界500位にくい込む、中国の大学−

現在、中国の大学で
世界100位に入る大学はありません。
500位内に入る大学をみても、
台湾を除く中国本土の学校だけを数えると、
今のところ13校という状況です。

しかし、中国の有名大学に行ってみると、
国の経済発展による街並みの急激な変化と同様に、
大学の中でも、急速に質を
高めようとしているのが分かります。

まず、箱(建物)から次々に近代的なものが建てられ、
次第にその中身(教育法)もテコ入れされつつあるようです。

そして、欧米から教員を招き、数段飛びで質を上げつつ、
中国からも教職員を海外に送り出し、
その教授法・運営法をよく研究しています。

中国の大学への国からの補助金総額のうち、
その3分の1が清華大学と北京大学に注がれているそうです。
力をかけるところには集中的に投資し、
世界のトップ・スクールへの仲間入りを
大学の明確な目標として打ち出しています。


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