中国って、本当のところどうなの?

第23回
薄れゆく戦争の記憶

戦後、60年が経過し、
次第に戦争を経験した人が少なくなっています。

それでも、何かにつけて中国では
「戦争の記憶を忘れるな」
というような文字を目にします。

しかし、一方の日本では、
戦争は歴史上の記録となりつつあります。
著者やその親の世代まで戦争を知らず、
戦争経験者は、余り多くを語りたがりません。

戦後60年経っても「戦争を決して忘れない」
と意気込む中国人と、
過去のことなので「正直、いまさら言われても」
という若い世代の日本人。
この両者で歴史認識が噛み合う訳がありません。

ところが、中国抗日戦争記念館から出てくる
若い世代の中国人を見てみると、
意外にもその足取りは軽やかです。

抗日戦争記念館から出てきた親子連れです。
展示写真の酷い内容に、
肩を落としている日本人(私)の前で、
楽しそうに記念撮影しています。

子供は無邪気にも両手で「Vサイン」を作り、
笑顔でカメラを向いています。
それを撮る親も、「なんてうちの子可愛いのかしら」
というノリです。

呆気にとられている日本人の前で、
次々と記念撮影は続きます。

今度は若い中国人女性3人組です。
やはりこちらも「ピース・サイン」に笑顔です。
「日本に勝ってよかったね!」
という変に右よりな感じでもないのです。

中国でも、若い世代にとっては、
既に戦争は「過去のこと」となっているので、
ここを訪れた記念撮影だけでも
楽しもうという感じなのでしょう。

もし、戦争被害を深刻に捉えていたならば、
こんな軽いノリで記念撮影などできる訳がありません。

こちらは小学校の遠足で盧溝橋エリアに来ていた
女子小学生たちです。
彼女たちは館内でも駆け足で、
終始はしゃいでいました。

このように、現地でも戦争の記憶の風化は
確実にすすんでいます。
中国現地では、なにも北京・上海のデモのような
反日ムードが充満しているわけではありません。

日本のマスコミだけを鵜呑みにしていると、
日本人も誤った中国認識を持ちかねないのです。
中国・日本、共にメディアの質に問題があることは、
世界的に定説となっています。

世界の様々な情報に目をむけ、その違いを捉え、
現地で直接に感じ、自分で考えることが必要です。


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