中国って、本当のところどうなの?

第33回
中国のMBA事情

近年、日本では
多くのMBA教育や関連ビジネスが
雨後の筍のごとく乱立していますが、
ここ中国もその例外ではありません。

中国最初のビジネス・スクールは、
北京の清華大学にて産声を上げました。
90年代初頭に学生の募集が始まったばかりですので、
中国MBAの歴史は非常に浅いと言えます。

清華大学は、
理系の大学で中国トップを独走していますが、
文系をあわせた総合的な評価でも、
中国随一の大学です。

清華大学 経営管理学院

清華のMBAの特色は、
欧米の有名大学で学んだ中国人教官が
教鞭をとるだけでなく、
世界の有名ビジネス・スクールから、
それぞれの分野の権威を招聘して
その教育レベルを向上しているところにあります。

また、教職員を欧米のビジネス・スクールに派遣し、
その教育法を体得させ、
一気に追いつこうとしています。
とはいえ、ここの学院長が認めるように、
「欧米のMBAと比較すると、まだ競争力は低い」のが現状です。

さて、中国のMBA卒業生数の推移を見てみましょう。

94年に第一期生の
中国MBAの84名が卒業して以来、
毎年、前年比で大きな伸び率で
MBAを輩出していることが分かります。
つまり、多くの大学がMBAコースを
新設・増員しているのです。

2004年の卒業者数をみると、
18,000人を超えるところまできています。

当然のことですが、
MBAとはあくまでビジネスに必要な
基礎的な能力が学べるコースであり、
それを持っているからといって、
必ず仕事上で成功できる訳ではありません。

それでも、多くの人々がこの
「ペーパー・ライセンス」を求め、
ビジネス・スクールで学んでいます。

世界のトップ・ビジネス・スクールを卒業すれば、
そのブランドだけでも
ある程度食べていけるかもしれませんが、
名も知れない中国MBAでは、そうもいきません。

とはいえ、「人とのつながり」が、
ビジネス上でもかなりの比重を占めるのが
中国ビジネスです。
ある程度の人材との人脈を広げられるMBAコースは、
人的ネットワークの面では、
確実に価値があるのでしょう。


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