中国って、本当のところどうなの?

第42回
世界遺産の旅−紫禁城は夢の跡

故宮についてみて
まず驚かされるのが、
10メートルもの高さがある塀です。
さらに、紫禁城の周りを囲む堀は、
深さが6メートルもあります。

1407年から14年かけて完成した故宮の建設には、
延べ100万人もの労働者が動員され、
そのうち10万人は
熟練工・建築技能工であったそうです。

また、建築材料として必要とされた石は
北京郊外の山から運ばれてきました。
巨大な石を運ぶために、
50メートル置きに井戸が掘られ、
水を撒いて凍らせた路面の上を
滑らせて運んだといいます。

さらに、大量の材木やその他の材料が
よその地方から運ばれてきたそうです。
まさに、故宮は当時の建築技術・資材の
全てを総動員して造られたものだったのです。

紫禁城の建物の多くが、木造建築でした。
火事により何度と無く消失・修復が
部分的に繰り返されてきましたが、
その基本的な全体構造は
建設当時のものと変わらないといいます。

紫禁城の屋根を見ると、
黄色にきらめくタイルで覆われています。
その昔、「黄色」は皇族のみが使える特権的な色であり、
誰もが気軽に使える色ではありませんでした。

今日では少しのお金を払えば
一般の人々も入場が可能な紫禁城ですが、
以前はごく限られた人だけが入城を許された
特別な場所だったのです。

その当時、皇帝の強力な権限に
人々は恐れ戦いていた事でしょう。
しかし、時代が変われば
中国人の振る舞いも大きく変わります。

いまでは、このように夏の暑さにかまけて、
宮殿の軒下で寝転がる人々さえでてきました。
皇帝がいた当時なら、
すぐにも衛兵にひっぱられてしまったことでしょう。
そもそも、こんな自殺行為をする人は
いなかったでしょうね。

寝転がる方にもかなり問題がありますが、
ただ立っているだけの衛兵も大問題ですね。
いったい、彼らは何をしているのでしょう。
じっと立っていることに価値があるのでしょうか?

皇帝の威光も、
末代の中国人たちには全く届かないようです。


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