中国って、本当のところどうなの?

第53回
798を散策してみよう!

広い工場の敷地内は、
ただ歩いて観て周るだけでも楽しいものです。

首の長い煙突を持つ工場や、
廃棄ダクトなどが縦横に走る様子を見ていると、
「ある明確な目的を持って動いていた電子部品工場」
という、一つの有機体を思わせます。

稼動していない工場施設の一部は、
こうして「物干し」にも使われています。

中国では、都会のど真ん中でも、
こうした誰の手にも届く場所に
洗濯物が干されていることがあります。

女性の下着なども、
こうした感じで普通に干してあるので、
目のやり場に困るほどです。
色気は無いですけどね。

Beijing Tokyo Art Projects(BTAP)です。
漢字ですと「北京東京芸術工程」となっています。

蛇足ですが、「中国&日本」を略す時に、
日本では「日中」と日本を先に書き表しますよね?
しかし、中国では「中日」と中国が先に来ます。
着眼の視点を少し変えてみると、
モノの見え方・考え方が変わるかもしれませんね。

このギャラリーも、東京で開いたならば、
「東京北京芸術工程」となっていたのではないでしょうか。

さてこちらでは、
主に日本に関係のあるアート作品が
企画ごとに展示されています。

横浜トリエンナーレなど、
日本のアート・シーンの情報も
ここでは提供されていました。

場内は、798 SPACEを
やや小ぶりにした感じの空間です。

BTAPのギャラリー内にも、
毛沢東のプロパガンダ色は残されています。
工場で働く人々の目に付く場所には、
こうして絶え間なく「毛沢東ワールド」が
形成されていたのですね。

毛沢東が追い求めたことが、
当時、「中国人民の理想」として押し付けられ、
それに逆らうような兆候があれば、
大変な目にあったことでしょう。

今日では自由な表現の
コンテンポラリー・アートの空間として生まれ変わり、
そのギャップが訪れる人の心を掴んで離しません。


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