中国って、本当のところどうなの?

第59回
中国人のリスク意識

昨日は清華大学の新築の留学生寮における
問題点の幾つかをお伝えしました

問題の多い清華大学留学生寮

ここで、中国人のリスク管理の状況に関して
少し考えていきましょう。

ここでいうリスクとは、
「不確定な要素ではあるが
 それが発生することにより
 業務上何かしらの不利益が生じること」
という意味で話をすすめていきます。

まず、一般論ですがリスクを3つの分類でみると、
以下のような区分になります。

(1) 天災
(2) 正常な事故
(3) 異常な事故

(1)の「天災」とは、山火事や地震など
予測することが難しいものを指します。

また、(2)の「正常な事故」とは、
業務を進めていくうちに当然発生するであろう
システム障害や故障などです。

そして、(3) の「異常な事故」ですが、
これは組織内外の人間による
「悪意ある行為によって生じる危機」です。

これら3分類のリスクに対して、
優れた組織・人は事前に対応法を練り、
対策をとっていると考えていいでしょう。

アメリカのフォーチュン500企業の内、
リスクに対して予防的に動いている企業は、
たったの5%だそうです。
そして、予防型の起業は、
創業から平均して83年の老舗であるとのことです。

それに対して、リスクが発生してから対処する
「場当たり的な企業」の平均は67年ということです。
意外なことに、「ある程度歴史があっても学ばない」
企業は沢山あるのですね。

我々の通常の生活の中でも、
人は風邪など病気にかかったりしますよね?
しかし、いつ風邪をひくかは不確定です。

風邪に対して、
予防的に「手洗い」や「うがい」などを習慣化している人と、
風邪をひいてから「治す」という対応型では、
結果としてどちらが賢明かは言うまでもありません。

風邪をひいてから
「もう少し手洗いうがいをしておけばよかったな」
と病床で悔やんでも遅いのです。

風邪にかからないように、
幾ばくかの時間・金銭・労力などのコストを払っておけば、
多大なコストを払うことが避けられます。

こうしたことは、
企業など「法人」でも同じことが言えるのですね。
フォーチュン500社の例でも、
やはり予防型企業の業績の方が、
対応型の企業よりも優れているとのことです。

清華大学の寮の不具合の事例ですが、問題が発生しても、
「場当たり的な対応で何も学んでいない」
というお粗末な状況が続いています。

もう少し、リスクについて考えていきましょう。
明日に続きます。

学生寮のエアコン・パネル
「Hot」と「Cool」の設定が、
逆になったまま放置されている。
温度も表示とは逆さまに設定されたまま。
業者に直そうという意思が無いばかりか、
問題だとさえ捉えていない。

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