中国って、本当のところどうなの?

第76回
HIV/AIDS、基本をおさらい

昨日からの続きです

さて、世界や中国のHIV/AIDS事情を考えていく前に、
いまいちど「HIV/AIDS」とは何なのか、
確認しておきましょう。

まず、HIVとAIDSとは別のモノです。
これを混同している人が意外に多いので、
まずはここから整理しておきましょう。

HIVとは、ちょっと長ったらしいですが
Human Immunodeficiency Virusの略語です。
日本語ですと、「ヒト免疫不全ウイルス」となります。

このウイルスは、感染すると体中で増殖していき、
色々な免疫機能を担っている
リンパ球(CD4陽性リンパ球)を
破壊していきます。

免疫機能を持つリンパ球は、
体内に入ってきた異物を攻撃し、
体内環境を平穏に保つ司令官の役割をしています。
しかし、HIVの攻撃によって破壊されてしまうと、
外部からの悪い菌などが、
体内でのさばれる状況になってしまうのです。

こうして、
体内環境の「ガードマン」であるリンパ球が破壊されると、
防衛力が弱くなり、ガードマンが常駐してくれている時には
なんでもなかった異物が、
大変な問題を引き起こすようになっていきます。

弱い細菌やカビなど、
それまでリンパ球が簡単に排除してくれていたものが
体の中で暴れだし、様々な感染症を発症してしまうのです。
さらには、悪性腫瘍や神経系の症状がでることもあります。

次に、AIDSですが、
Acquired Immune Deficiency Syndromeの略語です。
日本語で「後天性免疫不全症候群」と呼ばれているものです。
これまた、字面が難しい言葉ですね。

このエイズですが、
HIVという「ウイルス」に感染し引き起こされる
結果としての「病気」なのです。
また、HIVに感染したからといって、
必ずしもエイズを発病するというわけではありません。

このHIVの特徴としては、
エイズを引き起こすまでの潜伏期間が
とても長いことがあげられます。

感染してから数年から10年、
場合によってはそれ以上もの期間、
発症することが無いこともあるそうです。

一般的には、
平均10年の潜伏期間があると言われています。

HIVの恐ろしいところは、
症状が全くでない潜伏期間であっても、
他の人に感染させる力はあるところで、
本人も気付かぬうちに、
人にうつしてしまう可能性があることです。

さらに、現在の医学では体内から
HIVを完全に無くすことは難しいといいます。

しかし、ウイルス感染を早期に発見し、
適切な治療を受ければ、発病を抑え
健康な人と変わらない生活を送ることも
可能であるそうです。

明日は世界のHIV/AIDSの状況を俯瞰してみましょう。


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2005年12月10日(土)

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