中国って、本当のところどうなの?

第77回
世界のHIV/AIDS事情

昨日からの続きです

中国のHIV/AIDS事情を考える際に、
世界の状況、アジアの状況と順を追って俯瞰し、
その「アジアの中での中国」という位置付けで、
現状をみていきましょう。

ではまず、世界のHIV/AIDSの現状ですが、
2005年のマクロ的なデータをみると、
以下のような状況になっています。

2005年のHIV感染者の総数は、
4030万人前後と推測されており、
新たにHIVに感染する人は490万人です。
また、AIDSによって命を落とすのは、
2005年だけでも310万人と見積もられています。

今日、タバコにより
年間500万もの人々が命を奪われていますが、
あと数年で、AIDSによる死者もタバコのそれと
同程度になりそうな勢いです。

500万人というと、
毎年、例えばシンガポールの国民全員が
苦しみながら死滅している計算になります。

2001年から2005年までの
世界のHIV感染者総数は、
毎年100万人ほどの増加を示しています。

新たに感染する人が数百万人いるなかで、
総数が年間100万人程度の増加というのは、
毎年、数百万人が亡くなっていることを意味します。

1981年にAIDSの死者が初めて認識されてから、
これまでに2,500万人もの方々が
亡くなっているのです。

地域別にみると、
サハラ・アフリカ地域が特出して多く、
全体の64%を占める2,580万人となっています。

続いて、各地域の概数をみていくと、
南・東南アジア:740万人(18%)
ラテン・アメリカ:180万人(4.4%)
東欧・中央アジア:160万人(3.9%)
北米:120万人(2.9%)
東アジア:87万人(2.2%)
オセアニア:74万人(1.8%)
西欧:72万人(1.7%)
北アフリカ・中東:51万人(1.6%)
カリブ地域:30万人(0.7%)
といった状況です。

こうしてみると、
現在、世界全体ではアフリカ地域と
南・東南アジアにHIV感染者が多く(約8割)、
中国を含む東アジアでは、
比較的感染者が少ないようです(約2%)。

しかし、世界最大の人口を誇る中国では、
HIV感染の急拡大が危惧されています。
ここ中国で感染者数が増えると、
東アジアの感染者数は爆発的に増えてしまうのです。

明日に続きます。


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2005年12月11日(日)

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