中国って、本当のところどうなの?

第78回
アジア太平洋のHIV/AIDS事情

昨日からの続きです

世界のHIV/AIDS事情を俯瞰したところで、
続いて、アジア太平洋地域の状況をみていきましょう。

世界人口のうち60%の人々が暮らす
アジア太平洋でのHIV感染者数は、
約820万人と見積もられています。
そして、毎年120万人が新たにHIVに感染し、
50万人以上が命を落としていると推計されています。

ここのところ、東アジアでのHIV感染の急拡大が顕著です。
特に中国、インドネシア、ベトナムでは近年になって、
大流行の兆しを見せています。

さて、エイズの流行が始まる前の1985年から、
2004年にかけての感染状況を
このエリアの地図で俯瞰してみましょう。

20年前のアジア太平洋地域です。
この頃は、まだHIVの流行は確認されていませんでした。

1993年になると、
タイやカンボジアでHIVはかなり広まり、
ミャンマーやインドなどでも
深刻な状況に移行しつつあります。

1998年には、アジア太平洋の国々の半数以上で、
HIVの流行が危機的フェーズに達しているのが分かります。

そして、2004年のイメージをみてみると、
1985年の牧歌的な状況とは打って変わり、
アジア太平洋にもHIVが根付いている状況です。

世界人口の6割を占めるアジア太平洋において、
HIV感染者が820万人というのは、
サハラアフリカ地域と比べれば、比較的低い数値です。
アジア太平洋地域の住人の99%は、
まだHIVに感染していないのです。

しかし、対応が後手に回っている状況であり、
ここ数年でのHIV大流行が危惧されています。

今後、アジア太平洋地域でのHIV大流行を防ぐには、
感染が危惧されるターゲット層への
効果的な予防プログラムが必要となっています。
実際には、図に見て取れるように対応が遅れています。

「若い人々」
「移民」
「麻薬の回し打ちをする人々」
「セックス産業労働者(売春婦)」
「同性愛者(特に男性)」

こうしたセグメント対し、
総合的な対応が必要なわけですが、
プログラム実施に必要な費用(50億USD)の
半分にも資金が達していないようです。

我々にできることとして、
まずはHIV/AIDSに対する正しい知識を身に付け、
軽率な行動は慎むようにしないといけませんね。

明日に続きます。


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2005年12月12日(月)

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