第79回
中国のHIV/AIDS事情
昨日からの続きです。
さて、いよいよ
中国のHIV/AIDS事情をみていきましょう。
まず、公表されている
HIV感染者/AIDS患者数の変遷は、
以下のグラフのように、急速に伸びています。
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1985 |
1986 |
1987 |
1988 |
1989 |
1990 |
1991 |
1992 |
1993 |
1994 |
■AIDS |
1 |
0 |
2 |
0 |
0 |
2 |
3 |
5 |
23 |
29 |
■HIV
(+) |
5 |
1 |
9 |
7 |
171 |
299 |
216 |
261 |
274 |
531 |
|
|
1995 |
1996 |
1997 |
1998 |
1999 |
1900 |
2001 |
2002 |
2003 |
2004 |
■AIDS |
52 |
38 |
126 |
136 |
230 |
233 |
714 |
1028 |
6120 |
9620 |
■HIV
(+) |
1567 |
2649 |
3343 |
3306 |
4677 |
5201 |
8219 |
9732 |
21691 |
29623 |
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1985年に、初のAIDS患者が中国で発見されてから、
2004年度には1万人弱というところまで
増えてしまっています。
HIVへの感染者数は、
2004年には3万人弱まで広がり、
中国の34市省自治区のうち、
31の地域で感染が確認されている状況です。
地域別にみたHIV感染状況のマップです。
赤や紫で表示されている地域は感染者数が多く、
貧困による買春や、麻薬の温床となっている地域には、
HIV感染率が高い傾向がうかがえます。
アジア太平洋でのHIVの流行は、
主に「買春行為」によって
大きな広がりを見せているそうです。
男性にとっては不名誉なデータですが、
アジア太平洋地域の5-10%の男性が、
買春をしたことがあるといいます。
これらのうちの多くの男性が、
既婚者であり、またすでに恋人がいる人々であり、
彼らの伴侶や恋人にまでHIVをうつしているという、
嘆かわしい実態があるのです。
HIV感染者のうち、女性感染者の比率は
急上昇しています。
特に、セックス産業労働者(売春婦)の中で、
コンドームを使わない
売春による感染も非常に増えています。
まったく我侭な話ですが、
「コンドームを使いたがらない男性の客」
が多いそうです。
雲南省の例では、
「コンドーム無しでの性交渉」だと
6割も料金が上がるため、
そうした求めに応じる売春婦もいると報告されています。
(別に、コンドームを使った買春を
肯定しているわけではありませんよ。念のため)
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街の「性生活用品店」
「成人保健」という看板の店では、
コンドームなど性に関わる品々が売られています。
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また中国では、
大掛かりな啓蒙活動が実施されつつあるものの、
一般大衆のHIV感染予防に関する知識は、
まだまだ低い状況です。
2003年の調査では、
40%もの男女が、HIVの感染から身を守る方法を
一つも挙げることができなかったといいます。
明日に続きます。
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