第85回
世界遺産の旅−天檀
清華大学の研究生の友人と
デートすることになりました。
彼女は中国人女性にしては珍しく、
京都の女性のような
「はんなり」とした魅力のある人で、
日本の着物を着せたら似合いそうな感じの人です。
「どこか行きたい所ある?」
「天檀」
「(うっ、まじかよ、あそこ退屈なんだよな)オッケー!」
ということで、北京市街の南に位置する、
天檀を訪ねました。
実は、2000年の冬にもツアーでここを一度訪れており、
その「退屈さ」に、
「これが故宮と同じ世界遺産かよ」と
がっかりしていたのです。
しかし、今回はツアーではなく、
自分で時間配分やルートなどを決められる個人旅行。
2回目の天檀訪問は、随分と印象が違いました。
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天檀正面入口
入場料:夏季50元、冬季30元、学生半額
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さて、故宮・天安門からまっすぐ南下していくと、
天檀にたどり着けます。
最寄の地下鉄駅は、崇文門か前門です。
天檀は故宮や天安門の真南に位置するのではなく、
前門大街というストリートから
東に1ブロック分だけずれているので、
崇文門が正面の入口には近いです。
「祈念大街」という名の大通りが
天檀正面ゲートに続いています。
天檀は皇帝が豊作などを祈る場所だったので、
祈念大街という名がついたのでしょうね。
最寄の地下鉄駅(崇文門)から、
歩いて15分程度といったところでしょうか。
入口を入ってみると、
すぐに祈念殿の特徴ある屋根が見えてきます。
この天檀公園、
皇帝の暮らしていた故宮よりも広いのです。
その広さ、270万平方メートル。
ご存知、東京ドームに換算すると57個分以上。
頤和園よりはやや狭いですが、
故宮(74万平方メートル)の3倍以上もの面積を誇ります。
さすがの皇帝たちも、
「天より広いところには住めない」と
神に対する畏敬の念を持っていたといいます。
(それでも、故宮は十分に広いですけどね。)
故宮よりもはるかに広い天檀公園を歩き回る前に、
入口近くのトイレに寄っておきましょう。
入口近くのトイレには、
温風乾燥機も取り付けられていました。
よく見てみると、
「ヘアー・ドライヤー」とあります。
中国でこんな表示がついていたら、
ここで頭を洗ってしまう人が出てきそうですね。
明日ものんびり天檀公園を観て周りましょう。
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