中国って、本当のところどうなの?

第100回
日本人曰く、商標権とはなんぞや?

中国においても若い人々を中心に、
日本のアニメ、ドラマの人気が高いことは
周知の事実です。

なかでも、
「クレヨンしんちゃん」「名探偵コナン」
といった、日本でも現在人気のある作品が
中国でも大人気です。

「クレヨンしんちゃん」に関しては、
とても笑えない状況になっています。

日本で1991年に双葉社の雑誌で連載が始まった
「クレヨンしんちゃん」ですが、
人気に火がつき、翌年1992年には
テレビ・アニメ化されています。

その後、双葉社は1994年に、
おもちゃ、衣類、文具など
20種類以上の分野で「クレヨンしんちゃん」を
日本において商標登録しました。

さらに翌年の1995年には、
台湾にて「蝋筆小新」という中国語の名前で
商標登録をしています。

しかし、1997年に広東省、福建省、香港などにある
4社の企業が、絵柄と「蝋筆小新」の名前を
中国にて商標登録してしまったのです。

それら4企業からライセンス供与を受けた中国企業が
中国市場においてキャラクター商品を発売しだしました。

そうした4企業に遅れること数年、
2004年4月に双葉社はライセンス供与した上海の企業を通じて
「クレヨンしんちゃん」のキャラクター商品を
中国でも販売を開始しました。

さあ、そこからが問題です。

2004年6月に、
上海工商管理行政局は、双葉社のキャラクター商品を
「コピー商品」として店頭からの撤去を命じたのです。

本家本元の「クレヨンしんちゃん」を日本で育ててきた
双葉社ですが、中国ビジネスでの詰めが甘かったために、
勝手に商標権を取得した中国企業に
取って代わられてしまったのです。

現在、双葉社は勝手に商標登録をした中国企業の
ライセンス取り消しを中国当局に申請しているといいます。

著作権、商標権があってもなくても、
中国では勝手に作ってしまう者が後を絶ちません。

正規版が世に出た後、
中国において海賊版が市場に出回るスピードは、
驚くほど早いです。

例えば、日本のアニメやドラマなどは
日本で放送された数日後に、
綺麗なパッケージで出荷されています。
しかも、ご丁寧に中国語の字幕までつくっているのです。

「仕事が速い!」と思わず関心してしまいますが、
海賊版を勝手に作っているので、
「仕事の方向性」が間違っていますね。

「悪貨が良貨を駆逐する」

正規版でお金を稼ぐことができなくなれば、
コンテンツのクリエイターたちは
食べていけなくなります。

人が知恵を絞り、汗水たらして作り出したものを
そっくりコピーして売ってしまうのは、
やはり間違っているのです。


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2006年1月3日(火)

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