中国って、本当のところどうなの?

第105回
天安門広場のライトアップ

昼の天安門広場の散策もいいものですが、
時期によってライトアップされる
天安門広場を訪ねるのも
また情緒があります。

その美しさは、どこか儚い夢のようでもあります。

天安門広場の中心では、
バスやタクシーなどの車は停車できません。

公共の交通手段で行くとすると、
地下鉄1号線の「天安門西」「天安門東」の各駅から
歩いていくことになります。

地下鉄の駅を出ると、
紫禁城(故宮)の外を囲う塀が続いています。

少し歩くと、天安門が見えてきます。
ライトアップされた天安門は、
妖艶な雰囲気を放っています。

世界一広い広場、天安門広場です。

1989年6月4日、天安門事件が起こった場所です。
この天安門事件には、大まかに2つの見方があります。

一つは、ここで「人民解放軍」による
学生デモ隊に対する強制退去が行われ、
「死者319人から数千人が出た」といわれる
「死者がいた」という見方。
そして、もうひとつは「死者などいなかった」という説。

しかし、その場にいなかった人々にとって、
真相は未だに藪の中です。

当時、軍の戦車に轢かれる若者の映像が
中国以外の世界各国のテレビで放映され、
人々に衝撃を与えました。

これが天安門事件で
「死者がいなかった」とする人々の話を
どう説明すればいいのか分からないものにしています。

「中国政府は、保身のためなら自国の学生をも轢き殺す」

天安門事件の映像が世界に伝わった後、
中国は国際社会の中で大きく信用を失墜させました。
これはもし「多くの死者があった」とする説が本当であれば、
一般の善良な中国人がそうしたのではなく、
人民のために動くべき「政府」がしでかした暴挙です。

その後も、靖国の話などでは
鬼の首をとったように大騒ぎをする中国(政府)ですが、
この天安門事件については、
真相究明・公開に向かう気配はありません。

逆に、情報の隠蔽や
言論の統制に余念がないのが実態です。

天安門広場の西側に位置する人民大会堂です。

この日本の国会にあたる場所の前で行われたデモに対し、
中国政府が自国の学生にしたと
「言われている」ことは、
世界的にみても稀で恐ろしい話です。

中国人の「一部の無邪気な」学生の皆さん、
日本の領事館・大使館などに
笑いながらペットボトルなどを投げ込んでいる場合ですかね?

天安門事件の本当のところを
明らかにする議論も必要でしょう。
しかし、体制を危うくするような話は、
オープンに議論できないのが中国社会です。
中国のこうした面には、大きな歪みがあります。

明日に続きます。


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2006年1月8日(日)

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