中国って、本当のところどうなの?

第116回
中国でのビジネス書・翻訳書事情

どの国でも、大き目の本屋に行ってみると、
当地での出版事情が垣間見られるものです。

その時々に売れている本は
種類も豊富に出版され、
書架の占有面積も広くなっていきます。

逆に、売れ行きのよくない本は、
書店の片隅へと追いやられていき、
次第に出版されなくなっていきます。

では、ビジネスの分野で
世界中から注目を浴びる中国において、
ビジネス関連の書籍、
海外のビジネス本の翻訳書などは
現地でどのていど出版されているのでしょうか?

また、中国の一般の人々にとって、
ビジネス関連の書籍・翻訳書は
気軽に手に入るものなのでしょうか?

それでは実際に、
北京の本屋のビジネス・コーナーを覗いてみましょう。

この棚、全て経営管理一般の書籍です。

こうした経営管理理論の書籍は、
中国語に翻訳されたものだけでなく、
ビジネス研究の中心である英語圏の国のテキストが
そのまま「英語版」で出版されているのです。

そして、その値段設定も中国市場向けの価格となっており、
欧米や日本で英語の経営理論の書籍を買い求めるよりも
遥かに安価で手に入る状況です。

ビジネス書では、翻訳モノも多くあります。

日本でも人気のあるマネジメントの大家である
ピーター・ドラッカーの書籍などは、
中国の書店でもこうして平積みになっています。

他にも、戦略論で有名なマイケル・E・ポーターなども
こうして中国語版が容易に手に入るのです。

GEの経営を建て直し、躍進へと導いた
ジャック・ウェルチの本や
ヘンリー・フォードの本まで翻訳されています。

世界有数の有名コンサルタント、
トム・ピーターズの「Re-imagine」は、
日本語版よりも先に
中国語版が出ているようですね。

このように、
中国では勤勉なビジネスパーソンたちが、
欧米での経営理論を
急速に吸収していることが分かります。

しかし、中国ビジネスにおいては、
こうした理論をそのまま適用することは難しく、
まだまだ高度な経営管理の段階にない業界が多いですが、
その理論的バック・ボーンは、貪欲に学ばれているのです。


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2006年1月19日(木)

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