中国って、本当のところどうなの?

第156回
中国の吉野家は「プチ高級」路線

ここ数年来、経営に勢いが出た矢先、
牛肉に諸問題が生じて出鼻を挫かれるなど
何かと大変なファスト・フードの吉野家ですが、
日本での「早い・安い」という薄利多売路線から脱却し、
中国では「早い・そこそこ高い・ある程度旨い」
というポジショニングで、
市場に定着していく戦略のようです。

中国の吉野家では、
こうして外観からも見て取れるように、
日本には無い商品ラインや店舗・内装の高級化により、
「プチ高級」路線を進んでいます。

日本の吉野家の店舗では
食事をさっと済ませるカウンター席が主流ですが、
中国では比較的ゆっくりと寛げる
お洒落なテーブル席が多く用意されています。

お客の回転率の高いカウンター席の
ファスト・フードの業態から、
テーブル席で少し高めの料理をゆっくり食べてもらう
レストランへと方向転換しているようです。

日本の吉野家ですと、
なかなか「デートで使う」という感じにはなりませんが、
中国の吉野家には「日本からきた少し高級でお洒落な料理屋」
というブランド・イメージが根付きつつあり、
食事を楽しむカップルの姿をよく目にします。

こうした「プチ高級」路線は、
吉野家だけでなく、
マクドナルドやケンタッキーでも言えることです。

中には、若い女の子同士で吉野家に来るお客もおり、
「安いどんぶり飯を短時間で流し込む」
という日本の吉野家のイメージからは程遠い状況です。

「少し高いけれど、
日本のお洒落な料理屋でゆっくり談笑したい」
そんな想いで吉野家を訪れるお客が多いようです。

日本でお馴染みの牛丼もありますが、
それ以外にも日本で扱いのない丼モノのラインや、
茶碗蒸し、スープなどのサイド・メニューも多く、
中国現地にローカリゼーションを図る際に、
打って出る市場のセグメントを変えたことが窺えます。

さて、中国市場での「プチ高級」路線でも、
ある程度のお客を獲得している吉野家ですが、
そのブランドの恩恵に預かろうとする輩もいるようです。

明日は吉野家の類似店舗を見てみましょう。


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2006年2月28日(火)

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