中国って、本当のところどうなの?

第157回
吉野家、吉田家、吉田屋

昨日からの続きです。

さて、中国市場において「プチ高級」路線で
人々に受け入れられつつある吉野家を紹介しましたが、
次にその類似店をみていきましょう。
※今回はよく「文字」を見比べてください

まずは日本の佐賀県にあるという
「吉野家」ならぬ「吉田家」です。

吉田家のホームページを観てみると、
佐賀県に1店舗存在するようです。
こちらの吉田家には、吉野家のパロディというか、
オマージュのような意図も汲み取れます。

吉野家が採用しているコーポレート・カラーの
オレンジと黒の組み合わせも同じですが、
肝心の商品である牛丼に関しては、
「ファストフードではなく、スロウフードの牛丼を提供する」
とよく分からないことを謳っています。
本家に訴えられないようにするため、
「別物だ」と主張しているのかもしれません。

続いて中国にある「吉田屋」です。

よく観てください、
「吉野家」でも「吉田家」でもなく、
「吉田屋」なのです。

私はこの吉田屋の外観を見たときに、
てっきり吉野家かと思いました。

実際は、吉野家と吉田屋では、
「吉」だけ同じで3分の1しか合致しないのですが、
オレンジと黒の色合いというだけで、
「吉野家」だと判断してしまったのです。

色合いなどのトーンというのは、
人々の認識・識別に大きく影響しているのですね。

取り扱っている商品は牛丼をはじめ、
カレー丼、鍋料理まで多様です。

こちらも吉野家同様に、
中国の一般的な料理屋よりも少し高めの値段設定ですが、
若い人々を中心に人気を集めているようです。

カップルや若い女性同士の客層が多く、
カウンター席で「さっと食事を済ませて退店する」という
日本の吉野家のようなスタイルではありません。

食事が済んだ後でも、
ゆっくりとテーブル席で談笑するカップルや
若い女性同士のお客が目に付きます。

先進国の人々には、
コピー商品や類似商品に対する抵抗感が
比較的強くありますが、
模倣品が溢れ正規品が少ない中国のような市場では、
人々の海賊版・模倣ブランドに対する心理的抵抗は
相当に低いようです。


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2006年3月1日(水)

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