中国って、本当のところどうなの?

第183回
中国人学生の寮生活

中国の殆どの大学では、
学内に全校生徒を収納できるキャパシティを持つ寮を備え、
中国人学生は寮生活をしています。

日本の場合、土地が高く
全学生に寮を割安で提供することが困難という事情もあるため、
全ての学生が学内で暮らせるほどの寮を
学内に完備することは難しいでしょう。

ところが、土地が全て国有で、
大学へ子女を送り出す家庭の全てが
子供に一人暮らしをさせられるほど裕福ではない中国では
事情が少し異なります。

ある程度裕福な家庭の学生は、
学内の寮生活を抜け出し、
友人や恋人と学外に部屋を借りることもあるようです。

しかし、平均的な家庭では、北京や上海の都市部に
一人暮らしの部屋を借りて生活をさせてあげられるほど
所得水準は高くなっていないのです。

さて、一般的な中国人学生の寮生活ですが、
4人から6人の相部屋がスタンダードなところです。
まれに2人部屋という恵まれた学生たちもいますが、
多くは数人以上の相部屋というカタチになります。

一人当たりの占有面積は非常に狭い反面、
年間の寮費は日本では考えられないほど破格です。
国からの補助費が最も多い清華大学では、
中国人学生年間の寮費は千数百元(2〜3万円)ということです。

学内に住める上でのメリットもありますが、
学生寮の設備がお粗末というデメリットも多くあります。

中国人学生向けの各寮には
シャワールームが完備されておらず、
全寮の学生向けの共同シャワー室まで
外を歩いてシャワーを浴びにいかねばならないケースが殆どです。

こうした学校の寮の場合、夏場はまだいいのですが、
冬の寒さが厳しい北京地区の学校などでは、
シャワーの後に寮まで戻るのは相当に堪えることでしょう。

中国人学生の一般的な居住スペースでは、
小さな個人用の机とその横にクローゼットが備え付けられ、
机とクローゼットの上にベッドが位置します。

1979年から始まった1人っ子政策のため、
今の大学生たちは基本的に1人っ子ばかりです。

両親・祖父母の6人がかりで
大切に育てられてきた一人っ子たちは、
大学の寮生活を通して、擬似的な兄弟愛を育む事になります。

相部屋には、同じ学科のクラス・メートが入ることが一般的であり、
在学中、生活を共にすることになるのです。

明日は北京最大の学生寮などを見てみましょう。


←前回記事へ

2006年5月18日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ