第196回
中国経済、質の転換期へ
さて、昨日は2005年とその5年後の2010年の
中国政府によるGDP成長目標値をみてきました。
中国は5年後の2010年までに
40-50%程度の驚異的な成長をとげる見込みであり、
GDPを構成する中身を見ても、
その質の転換がはかられようとしています。
これまでは国外からの投資が
GDPを押し上げる役割の多くを占めていましたが、
それがいよいよ国内消費に
転換しようというフェーズにきているのです。
言うならば、これまでの中国経済は「学生・子供」の段階でした。
親(先進国)からのお小遣いを貰いながら、
学校で勉強(技術や知識の学習)をはかり、
自立した大人になる準備をしていたのです。
2005年のGDPのうち、国内消費によるものは
その46.5%を占めるところまで上昇しているといいます。
2004年以前は7割程度を
外国からの投資や取引に依存していたといいますから、
その質の転換ぶりは目覚しいものがあります。
今後数年で、GDPに占める国内消費を
6割以上に転換できれば、
外国への依存が著しい偏った成長の段階(揺籃型)から、
国内消費による健全な経済成長(自律型)へと
シフトしていけるでしょう。
国家の経済力は国民一人ひとりの経済力の集積ですが、
2010年には中国の国民の一人当たりのGDPは
2005年から4割近く上昇し
2万元近くにまで達するとみられています。
単純に国のGDPの伸び率とリンクしないのは、
依然として中国の人口が増えているためです。
驚いたことに、
世界最大の13億1300万(July 2006 est.)の人口を擁する中国は、
まだ大きくなり続けています。
2010年には、
13億6000万人に達すると予想されています。
中国にとって、2005年の13億7百万人から
2010年の13億6000万人への増加というのは、
ほんの4%の増加に過ぎません。
しかし、その「増加分だけでも」
世界で24番目に人口の多い韓国(4800万人)以下
全ての国々よりも多くの人口を抱えているのです。
もし世界が65人の村であったなら、
13人が中国人、10人がインド人、
その他少数派という図式になっています。
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