中国って、本当のところどうなの?

第202回
中国のBlog事情

ここのところ日本でもBlogユーザーは増えていますが、
中国においても爆発的な勢いでユーザー数は増加しています。

Blogとは、ある出来事やトピックスに対し、
自分の意見などをインターネット上で
日記のように配信することのできるシステムです。

中国留学・北京事情・中国の大学-加藤嘉一

2005年の中国のインターネット・ユーザー1億1100万人のうち、
62%にあたる6900万人は、Blogの書き手か読み手であると
推計されています。

こうしたBlogユーザーのうち、
半数以上(3450万人)は大学卒業以上の高学歴層であり、
半数近く(3312万人)が週に4回以上はBlogを訪問するといいます。
また、35%(2415万人)の人々は週に一本は
新しい内容を発信しているといいます。

依然として言論統制が厳しく、
世界の中でも言論の自由度は167カ国中159位という
「殆ど自由が無い」と位置づけられている中国ですが、
インターネット上のBlogに関しても検閲があるようです。

反体制的な内容の記述は削除されたり、
体制に肯定的なコメントが誘導的に記入されたりと、
既得権益を守ることに躍起な人たちが個人では出来ない規模で
様々な工作をしているといいます。

国民が税金を払って維持しているはずの政治システムは、
基本的な生活基盤を提供するサービス業であるともとれますが、
このサービス業に対する顧客からの批判的なコメントは
許されていないのです。

また、殆どの中国国民は
自由に国外に行くことができませんので、
自国のサービスが気に入らなかったからといって、
よその国のサービスに乗り換えるということは
簡単にはできません。

雇い主に対して、
「利用料金はきっちり払え、でも批判や乗換えは許さん!」
という無茶苦茶なサービス・プロバイダーなのですね。

さて、政治的な内容を別にすれば、
中国のBlog市場では日本とほぼ変わらないような内容が
発信されているようです。

日々の生活のこと、
個々人が興味のある分野に対する考えなど、
ブログ・ユーザーはインターネットを介して
「政治以外のことに対する言論の自由」を享受し始めています。

すでにBlogが生活に根付いた国々では、
企業活動にもBlog上での言論が大きな影響力を持っています。
企業側が垂れ流すマスコミ上での広告よりも
身近な友人や知人が書いた商品・サービスに対する
コメントの方が影響力を持つのは当然でしょう。

中国で企業活動をするにあたっても、
対Blog向けのコミュニケーション戦略は
不可欠となっているのです。


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2006年6月6日(火)

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