第203回
中国で3Kの仕事に従事する人々
一昔前、「きつい、汚い、かっこ悪い」あるいは
「きつい、汚い、苦しい」といった
いわゆる3Kと呼ばれる仕事は、
日本では倦厭される向きがありました。
中国でも、3Kの仕事は
大学を卒業した人々には好まれるものではありません。
レストランの服務員、マッサージ店の按摩士、
ビルの警備員、工事現場の労働者などは
3Kの職種として
地方から来た低学歴な人々が従事していることが殆どです。
中国を訪れたことのある人であれば、
こうした3Kの仕事に従事する人々の働きぶりが、
日本のそうした仕事に従事する人々と
明らかに違うと感じることがあるでしょう。
日本では、
3Kと呼ばれる職業に従事する人々の働き振りをみても、
かなり「職人的に」きっちりと仕事を
こなしていると見受けられます。
しかし、中国の3Kに属する人々の仕事ぶりは、
きっちりやっている人々もいるのですが、
かなりずさんな人々の数も多いので、
全体としては「頭数で勝負!」という様相を呈しています。
レストランなどで客の数より服務員が多かったりするのは
そのためです。
こうした中国の3Kに属する人々は
知識が無いから変な行動をするわけではなく、
「教養の質が日本とは違うのだ」
と考えておいたほうが良いでしょう。
以前、私が勤めていたフランス企業の日本支社では、
欧米から来た人々が日本の工事現場の労働者の働き振りをみて、
非常に驚いていました。
「私たちの国では、肉体労働者はこんなに整然と働いていない」
というのです。
日本で暮らしていると当たり前だと思ってしまうのですが、
日本人の職人的な仕事ぶりは、
世界の中でも異質なほど高度な国民性なのでしょう。
3Kと呼ばれる仕事をする人々の層でも、
ある程度きっちり仕事をするのが前提の日本人感覚では、
中国や世界の3K層を推し量ることはできないのです。
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