中国って、本当のところどうなの?

第204回
中国の3K層の管理は大変な仕事

昨日からの続きです。

比較的どんな仕事の環境でも
仕事をきっちりこなす日本人の職人的気質は、
3K層の仕事でも発揮されており、
中国や世界の3K層の働き振りとは、
一線を画すものでしょう。

北京や上海などの都市部では、
レストランの服務員、マッサージ店の按摩士、
ビルの清掃員、工事現場の労働者など
いわゆる3Kの仕事に属す人々は、
都市の外からやってきた「外地人」であることが殆どです。

中国留学・北京事情・中国の大学-加藤嘉一

こうした3K層の仕事に従事する外地人の多くは、
経済的に恵まれた家庭の人々ではなく、
一般的に就学年数も短めの低学歴層が大部分です。

どこの世界でも、豊かな人々の生活習慣や
スタンダードな考え方というのは似てくるものです。
しかし、貧しい人々の生活習慣や悩み・問題はそれぞれに多様です。

また日本のようにある程度豊かな国から来た人々からすると、
彼らの考え方や行動様式を理解するのは時間を要します。

先日、清華大学の親しい中国人学生が
学内で携帯電話を盗まれてしまいました。

中国留学・北京事情・中国の大学-加藤嘉一

学校に残って宿題をしていたそうなのですが、
少しトイレに行った隙に、
カバンから携帯電話が盗まれてしまったそうです。

その後、学校の管理室に行き、
監視カメラの様子をモニターでチェックしてみると、
一人で宿題をしていた部屋に、
数時間の内に合計で3人の警備員が
立ち入っていることが分かりました。

そのうちの一人は、仕事が終わってから教室に立ち入っており、
後の2人はまだ管理室に残っていたことから、
犯人は非番となった警備員であるとの見方が濃厚になりました。

中国留学・北京事情・中国の大学-加藤嘉一

激怒した友人は残っていた警備員から
怪しい警備員に何度も連絡するように促しました。

結局、その後
怪しい警備員は当直の日にも戻ってくること無く、
問い詰められることを恐れ、
「田舎に帰ってしまった」そうです。

本来、学校の治安を守るはずの警備員が
簡単に盗みを働いてしまったりするあたり、
中国の3K層の貧しさや短絡さが窺い知れます。

中国留学・北京事情・中国の大学-加藤嘉一

以前、ヨーロッパの空港の荷物運搬の職員が
航空機から荷物引き取りカウンターまでの間に、
貴重品をスーツケースから盗むという事件が
明るみに出ていましたが、
こうした3K層の仕事に従事する人々の管理は、
日本人の常識では通じない面がありますので、
その国の人々の知恵を借りる必要があるのでしょう。


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2006年6月8日(木)

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