第222回
英語もしっかり学びましょう
中国で中長期の生活をしてみて感じることの一つに、
中国に滞在する外国人の中でも、
「日本人の著しい英語力の低さ」があげられます。
日本であまり勉強しなかったのだけれど、
「とりあえず中国経済が伸びているし生活費も安い」
という安易な理由で留学に来ている学生も少なくありません。
しかし、そうした実務経験も無く
勉学の上でも殆ど頑張ったことのない日本人学生は、
留学期間が終了し、いざ就職をしようとする際になると
辛酸をなめることがあるようです。
つまり、まともな企業のふるいにかけられると、
簡単に振り落とされてしまうことになるのです。
確かに、中国の文化・習慣を理解し、
中国語を使えるということは長所にはなりますが、
世界的にビジネスを展開する企業においては、
やはり中国語はローカルな1言語に過ぎず、
英語が公用語となることが一般的なのです。
グローバル企業の会議や交渉において、
中国語が公用語となることはまずないでしょう。
例年のTOEFL平均スコアでみると、
パリに本部を置くOECDに加盟する約30カ国の先進国の中で、
日本は最下位を独走しています。
また、アジア地域に限ってみても、
ラオスやカンボジアよりも平均点が下というのが実情です。
日本の英語教育事業の市場は、
7千億円程度にまで膨らんでいます。
日本人は英語の学習に対して、
それなりに投資はしているのです。
しかし、結果としての日本人の英語力の向上には
残念ながらさほど変化が無いようです。
中国留学中は、漢字の読み書きで強みを発揮する
日本人留学生ですが、いざビジネスという段になると、
途端にグローバル・ビジネスの土俵からは
弾き出されてしまうレベルの学生も少なくありません。
中国トップ・スクールの清華大学や北京大学の
中国人学生と接してみると、
軒並みある程度の英語力があることが分かります。
それに引き換え、清華大学や北京大学といった
メジャーな大学に滞在している日本人留学生・研究者にさえ、
全く英語でのコミュニケーションができない人々もいるのです。
中国の有名大学や大学院に留学や研究しに行くことは、
欧米の著名な学校よりも遥かに容易です。
専攻にもよりますが、
現在の中国では有名大学といえども、
お金を払えば入学できるような
留学生にとっては「専門学校的な容易さ」があります。
留学後、実社会で活躍していくためには、
仕事をする際にどのようなスキルが本質的に必要なのかを
常に意識しながら生活することが肝要ですね。
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