第227回
開発と未開のはざまで
経済発展に伴い都市の様相も急変している中国。
都市中心部だけをみると、
日本や他の先進国と比べても
遜色が無いほどの発展を遂げている地域があります。
一方で、開発の中心地から離れるにしたがい、
開発された地域と昔ながらの中国の古い町並みが
混在した地域がひろがります。
表面的には、先進国に追いついているような
様相を呈する開発された地域のすぐ傍に、
全く違う装いの荒涼とした中国の村落が残っているのです。
北京の学園エリアである海淀区の五道口近隣にも、
昔ながらの中国の町並みが残る地域があります。
中国トップ・スクールの清華大学から
地下鉄13号線を跨いだすぐ東側に、
「八家村」という地域があります。
近代的な校舎や研究棟を
次々に建てている清華大学のすぐ傍で、
レンガ造りの小さな家が所狭しと並ぶ八家村の景観は
清華大学を見てきた後の外国人には、
驚くほどのギャップです。
日中、日が差している間は
くねくねと村の中を走る
舗装されていない道を歩くことができますが、
夜間は街灯もなく散策には少し危険な場所です。
開発された地域は、先進国から来た人々にとって、
留学生活が送りやすく、またビジネスもしやすい地域です。
しかし、発展した地域だけを見て
中国を分かったつもりになるのは思い違いであり、
広い中国の大部分にはまだ八家村のような
未開の地域が多く残っているということを
しっかりと認識しておく必要があるでしょう。
明日も八家村の地域を少し歩いてみましょう。
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