第231回
中国IKEAを現地化する人々
昨日から北京のIKEAをみています。
さて、スウェーデンの洗練された家具メーカーとしての
ブランド・アイデンティティを築きたいIKEAですが、
中国現地の人々はそうしたIKEAの思惑を
思い切り打ち崩すような行動をみせることがあります。
IKEAの集客力をあてにして、
以前は店先で違法DVDを売る人々も目にしました。
世界のIKEAの中でも、
店先で違法DVDが売られているのは
中国のIKEAぐらいのものでしょう。
また、IKEAを実際に訪れる中国人のお客の中にも、
IKEAが築きたいお洒落な雰囲気をことごとく
台無しにする人々もいます。
ローコスト・デザイン家具を売り物にするIKEAですが、
ソファーのコーナーにはいつも多くの人が押し寄せ、
椅子取りゲームのごとく
ソファーの争奪戦が繰り広げられています。
お客が特に多い週末には、
売り物のソファーと中国人のお客が一体化し、
セットで売られているのではないかと思うほどです。
中にはIKEAの広い店内での買い物に疲れて、
まるで自宅のソファーで寛ぐかのように
売り物のソファーで爆睡する人もいます。
ソファーなどの売り方で難しいのは、
実際に腰掛けてもらわないと
その座り心地が分からないところです。
快適な座り心地を通り越し、
しっかりと睡眠をとられても
お店としては困るところでしょう。
さらに、驚いたことに中国人のお客の中には、
IKEAの店内で痰を吐く人々もいますので、
フロアには注意が必要です。
私が目撃したIKEA店内の痰吐き事例は、
中年のおばさんでした。
スウェーデンと中国とでは、
相当に常識が異なるので、
IKEAのマネジメント層も頭を痛めていることでしょう。
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