中国って、本当のところどうなの?

第238回
価格設定と人員の大切さ

ここ数回に渡って、
北京の隠れがバーであるBED TAPAS & BARの様子と
その成功要因を考えてきました。

今回はBEDの(3)プライシングと(4)パーソネルを
少し考えてみます。

中国留学・北京事情・中国の大学-加藤嘉一

プロダクト(商品・サービス)、プライス(価格)、
プレイス(場所)、プロモーションといった
マーケティング活動を考える際の
基本項目である4Pがありますが、
BEDを見ていると、この4つの基本項目の
マーケティング・ミックスが
非常に巧くいっていることが分かります。

BEDのお酒の価格設定をみてみると、
25元から40元程度(約350-600円)といった具合に、
中国の物価を考えるとやや高めに設定されています。

BEDの(1)ロケーション[場所]、
(2)ファシリティ[建物とその設備]とあいまって、
ターゲットとするお客の外国人層に
しっかりと狙いが定められているのです。

中国人であれば、
「小汚い胡同の片隅で飲むのに、そんな大金は払いたくない」
と感じるでしょうが、
「胡同の中にある四合院で中国を感じる」という体験を
楽しいと感じる外国人にとっては、
リーズナブルな価格設定なのです。

中国留学・北京事情・中国の大学-加藤嘉一

最後に、(4)パーソネル[人員]ですが、
これこそがBEDを他のお店が真似できない
高い競争力であるといえるでしょう。

BEDでは、
オーナーのChoさんが常にお客と顔を合わせ、
友人のように振る舞い、
名前と顔を極力覚えようとしています。

新参者のお客さんには、ちゃんと名前を聞き、
「貴方に興味を持っているのです」
という前向きな意思表示をさりげなくしているのです。

中国留学・北京事情・中国の大学-加藤嘉一

これまで
ロケーション、ファシリティ、
プライシング、パーソネルなど、
BEDが成功している要因を幾つか考えてきましたが、
それぞれの要素が相互に良い影響を与えるように計算され、
ロイヤル・カスタマーを育てられるようになっているのです。

しかし、オーナーのChoさんは言うまでも無く一人の人間です。
今後オープンする2店舗を加えた
4つの店舗をバランスよく廻ることは、
なかなかに難しいことでしょう。

安かろう悪かろうの中国流ではなく、
「少し高くとも、素敵な体験を求めるお客は付いて来てくれる」
今後もサービス業の好例を見せてくれる
Choさんのビジネス展開からは、目が離せませんね。

BED TAPAS & BAR
北京市 東城区 旧鼓楼大街
張旺胡同17号
TEL:8400-1554


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2006年7月12日(水)

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