第239回
無駄にゴージャスなGS
経済の発展、市街地の再開発と共に
建築様式も急速に先進国の様式を取り入れつつある中国。
しかし、外国の事情を現地で見て学んできた中国人は、
中国13億の人口を考えるとまだほんの一握りの人々です。
懐具合が格段に良くなり、
購買力もさらに高まっている富裕層のセグメントは
年々膨らみつつありますが、
彼らのセンスにはまだ向上の余地が多分にあります。
多くの中国人富裕層はまだ
日本の一昔前の「成金的なセンス」に留まっている状況です。
北京の都心のマンションにも、
無駄に西洋風なデコレーションが
多くあしらわれた建物が多くあります。
華洋折衷の微妙なバランスが保たれていればまだ良いのですが、
西洋風なエッセンスを取り入れる場合、
まるで日本の古いラブ・ホテルの様に
過度に取り入れられているか
明らかに「間違って」組み込まれています。
海外に行った事もない中国人にとっては、
「ヨーロッパって、こんな感じ?」というイメージで
中国人が想像する西洋的な造型が
悪い冗談のように不動産として屹立してしまうのです。
北京市内にある西洋風の柱が目に付く建物です。
威風堂々とした柱とは裏腹に、
どうも妙な違和感を覚えます。
それもそのはず、
ここはヨーロッパ資本のホテルのエントランスなどではなく、
ガソリン・スタンドなのです。
今後、中国でも
ガソリン・スタンドにコンビニなども併設し、
利用者が様々なサービスが享受できる
サービス・ステーション化が進んでいくと思われますが、
更なるゴージャス度の向上は避けて欲しいものです。
入るのが恥ずかしいですからね。
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