第244回
味よし、演出よし:大董
昨日から北京ダックのお店である大董をみています。
ある程度のレベルの北京ダックのお店であれば、
ロースト・ダックを切り分ける際に、
お客の目の前でその光景を見せてくれるという
演出があります。
日に何十羽と切り分けているコックさんの腕は
太くたくましく、無骨な包丁を自在に操り
見る間にお皿の上に綺麗に盛り付けてくれます。
大董のロースト・ダックは
他店のそれと比べて油っぽさが抑えられており、
多くの中華料理の脂っこさに疲れた人からも
支持を集める味です。
また、大董のロースト・ダックの薬味は、
他店の薬味よりも種類が豊富でいて、
さらに盛り付け方も綺麗です。
北京ダックの専門店では、
肝心のロースト・ダックには神経がいっているものの、
他の料理や器などには気が廻っていないところもあります。
しかし、ここ大董では、
他の料理もかなりのレベルの味であり、
盛り付けられているそれぞれの器も
かなり吟味されている様子です。
2階にある個室は
少し贅沢で落ち着いた空間で食事を楽しめるよう
内装にも気配りがされています。
大董の各テーブルには、
お客からのコメントが気軽にフィード・バックできるよう、
食べ物の味、サービスの質、その他コメントが
残せるカードが配置されています。
最も美味しかった料理以外に、
最も美味しくなかった料理も記入できるようになっており、
お客の声がメニューの中身にも
反映されるようになっているのです。
お客とのコミュニケーションを大切にしている大董が
お客あってのお店だという初心を忘れなければ、
更なる進化を遂げていくことでしょう。
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