第245回
北京ダックの老舗:全聚徳
第243、244回と北京ダックの名店である
大董を紹介してきましたが、
ここで北京ダックの老舗で最も有名な全聚徳も
併せて紹介しておきましょう。
大董と全聚徳とを比べると、
お店の規模や経営展開などどれをとっても全聚徳の方が
一回り規模が大きいようです。
看板商品である北京ダックの値段を比べてみても、
1羽当り全聚徳が3000円近くするのに対して、
大董は2000円台半ばといった具合に、
少し値段を低く設定しています。
大雑把にこの2店のロースト・ダックの味を比較するならば、
全聚徳は油が多くのっていて、
一方の大董は油が少なく
さっぱりといったところでしょうか。
油の多い中華料理を食べ飽きている人々からは、
大董の北京ダックに支持が集まる傾向があります。
さて、この全聚徳ですが
ここ数年は北京ダックの味云々よりも
そのビジネス展開の方に注目が集まるほど
急激に店舗を増やし事業規模を拡大しています。
王府井や天安門広場など
北京市の人が集まる主要な場所には既に
大きなお店を構えていますが、
ここ数年の間にずっとマイナーな場所にさえ
大きなお店を次々とオープンしているのです。
高級な北京ダックを食べたいと思う
ある程度以上の収入のあるセグメントに対して、
全聚徳の市場カバレッジは
非常に高くなってきているといえます。
つい最近では、
清華大学の東門前のサイエンス・パークにさえ
全聚徳は出店を果たしてさえいます。
留学生や外資系の仕事関係者など
比較的お金を持っている人々や外国人の多い
五道口エリアに出店するのは、
新規店の開店場所の選定として
なかなか無難なところでしょう。
明日は全聚徳の店内を覗いてみましょう。
|