第263回
798の奥には、799が!
昨日から北京の先鋭アートの発信地である
798(第48-54回)を再訪しています。
さて、元々は電子製品を製造する
中国の国営工場であった「第798工場」を改造し、
現在の先鋭アートの発信地である798は形成されています。
798という番号があることから、
第797工場や第799工場も存在するのではないかと
推測される方もいるかもしれません。
そう、あるんです!
現在、第797工場はどこかの会社が入っている
ようなのですが、第799工場は嬉しいことに、
このたびアート・スペースとして
リニューアルされていました。
798で最も有名な798 SPACEを抜けて、
突き当たりを左折し、
少し先の角を右手に曲がります。
幾つかの新しいアート・スペースを横目に、
その道を直進していくと、
左手にギャラリー799がみえてくるのです。
この799、敷地は798より格段に狭く、
まだアートの発信地としても産声を上げたばかりであり、
799単体では、残念ながら
そう面白い場所であるとはいえません。
しかし、798に引き続き799のリノベーションといった具合に、
この地域がさらに先鋭アートの発信地として
いまだに進化し続けているということを
ギャラリー799は証明してみせてくれています。
ある意味、中国最強のキャラクターともいえる毛沢東を
茶化したような表現をも目にすることのできる798ですが、
こうした「かなりすれすれの事も自由に表現できる」風潮は、
タブーの無い中国の本格的な民主化への足がかりとしても
大切な布石でしょう。
798の更なる進化は、中国の大衆が
どんなことでも本音で議論できる環境が
少しずつ実現できているのを表しているのかもしれません。
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