第267回
国貿の高級ショッピング・エリア
昨日(前回)から北京の国貿地区を歩いています。
ここのところ、
数年前まで華やかな話題の中心であった王府井の
お株を奪っている国貿ですが、
この地区を訪れてみると高級ブランド店の出店の状況にも
驚かされます。
ルイ・ヴィトン、エルメス、
カルティエ、フェラガモ、グッチ、
フェンディ、ディオール、プラダなどなど
世界の名だたるブランドは
この国貿地区に新規の出店を加速しています。
洗練されたブランド・アイデンティティを築くため、
こうした世界の有名ブランド群は、
店舗の設計やコーディネーションにも
中国といえども非常に気を使っており、
服飾・宝飾品を扱うショップ群の中でも
最高峰の質とセンスを見せつけています。
しかし、実際にショップの中を覗いてみると
客足は鈍いことが窺えます。
お店によっては殆どお客の姿を見かけることが無いような
店舗もありますから、ブランドの確立のために
中国現地でコストを垂れ流しながら
試行錯誤を続けているようにもみえます。
国貿にショップを構えるブランド店を見てみると、
中国元の為替相場は、
まだまだ中国の通貨を過小評価している値に
設定されているものの、
高級ブランドの値付けは諸外国よりも
数割増で高い傾向があります。
中国だからといって、高級品が安く買える状況にはなく、
むしろ日本などよりずっと高いのがざらなのです。
多くの有名ブランドの発信地である
フランスやイタリアなどでは、
以前は日本からの観光客によるショッピングが
売上の多くを占めていました。
しかし、ここ数年の間に、
中国本土では非常に高い高級ブランド品を求める
中国の富裕層のお客が急増しており、
世界の高級ブランドを買い漁っているようです。
世界における高級ブランドの買い漁りにおいても、
日本から中国へと代表選手が交代しつつあるようですね。
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