第271回
中国の東北3省を訪ねて
ロシアと国境を接する中国最北の黒龍江省、
その南に位置する吉林省、
そして吉林省の南西に位置する遼寧省の3省が
中国の行政区分でいうところの東北3省です。
これから少しの間、
この中国の東北3省をざっくりと見てまわりましょう。
最初の黒竜江省という省名になじみが無い人でも、
省都であるハルビン市はご存知でしょう。
また吉林省の省都は長春市、遼寧省の省都は瀋陽市です。
今回の東北3省の旅では、この3省都を中心に
ハルビンから北京に向けて駆け足で南下していきます。
それぞれの省の規模を想像していただくために、
簡単にそれぞれの省の人口と面積などを見てみましょう。
データは2004年末のものですが、
東北3省を合計すると、
1億1千万人ほどの人口になります。
日本よりもやや少ない程度の人々が
日本の2倍ほどの面積の
この東北3省で生活しているのです。
今回の旅は、
まず北京からハルビンまで飛行機で飛び、
あとは北京へ向けて
ハルビン→長春→瀋陽といった具合に
鉄道で南下していく旅だと想い描いてください。
さて、まず最初の目的地である
黒龍江省のハルビン市ですが、
氷点下30度以下になることもあるなど
真冬の寒さが有名な地であるものの、
夏場もしっかり30度以上まで気温が上昇し
気温の高低差が北京以上に激しい土地です。
留学先として黒龍江省を考えると、
その気候は北京や他の地区よりもさらに厳しいのですが、
中国の中でも最も標準語に近い
中国語が話されている土地であり、
中国語の普通話を習得するために
ここを留学先として選ぶ留学生もいるようです。
しかし、学校の選択肢という面を考えてみると、
北京や上海地区のように有名な大学は無く、
黒龍江省ハルビン市の最も良い大学とされている
ハルビン工業大学でも、同じ理系の清華大学とは
比べる対象にもならないようです。
明日からは、ロシアなどの影響が残り
異国情緒の漂うハルビンの市街の様子をみていきます。
|