第272回
諸外国の趣のあるハルビン市
黒龍江省ハルビン市の中心では、
多くの西洋風建築を目にすることが出来ますが、
なかでも多いのがロシア風の建築物です。
黒龍江省とロシアとの国境線は
3000キロ以上にも及ぶといわれ、
古くから中国・ロシア間での交流があり、
人々の往来が今でも絶えません。
区画整理がきっちりとしており
比較的に平坦な北京からハルビンに行くと、
北京では少ない「坂道」が非常に多いと感じるでしょう。
坂道の多いハルビン市の各地に
ロシア風の建築物が点在する様子は、
日本で言えば東京・御茶ノ水のニコライ堂辺りのような感じ
といえば、想像していただきやすいでしょうか。
ロシアと地続きの黒龍江省には、
多くのロシア人が生活し、
また飛行機や鉄道で多くのロシア人観光客が往来しています。
中国でブロンドの髪を持つ外国人はとかく目立ち、
中国人からの容赦の無い視線を浴びているものですが、
ハルビンでは多くのロシア人がいるため、
人々はすっかり慣れているようです。
ハルビン市の中でも最も有名なゴシック風建築である
聖ソフィア教会です。
1907年3月に建造が始まり、
1923年に現在のような姿になったといいます。
この教会は、
ハルビン市の中心部にある721平方メートルの敷地に、
53.35メートルの背丈のロシア風建築の教会です。
いまでも観光客や地元の人々で親しまれている
聖ソフィア教会ですが、100年かそこらの教会などは、
ヨーロッパに行けば腐るほど転がっています。
中国に存在するゴシック風建築の教会という価値はありますが、
これがヨーロッパの中にあるのであれば、
取り立てて騒がれるほどのものでもないでしょうね。
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