中国って、本当のところどうなの?

第274回
日本軍731部隊の施設へ向けて

黒龍江省のハルビン市には、
第2次世界大戦中に日本軍が行った行為の中でも
最も非人間的・残虐性が高いモノの一つであったとされる
731部隊の研究施設跡があります。

731部隊とは、
細菌兵器の開発研究などを目的とした特殊部隊であり、
その開発研究の実験には、動物だけでなく、
人体実験が行われていたというものです。

中国各地にはいくつもの
抗日戦争記念館(第22回)のようなものがありますが、
その多くが新たに何らかの施設を作って
日本の戦時中の罪状をやや誇大に伝えているモノのようです。

しかし、この731部隊の研究施設跡は、
本当にその地で研究が行われていた場所を
多少の補強はあるものの、そのまま使っています。
当時のその場所を訪れることができるというのは、
大変に貴重なことであり、
その地でしか学び感じられないことも多いでしょう。

中国留学・北京事情・中国の大学-加藤嘉一

ハルビン市の中心から
タクシーで30分ほど行った平房区に、
この侵華日軍第731部隊遺跡はあります。

今回、滞在先のホテルの前につけているタクシーに乗り込んで、
まず驚いたのがそのタクシー・ドライバーでした。

作家の村上春樹さんにそっくり!

余りに似ていて驚きましたが、
李さん(タクシー・ドライバー)は日本の村上春樹さんを
知らないとのことでした。
とりあえず
「日本で最も人気のある小説家の一人で、すごくカッコイイ」と
言っておきました。

さて、731(ちーさんやお)といえば、
ハルビン市のタクシー・ドライバーは誰でも知っています。
北京の先進アートの発信地である
798(ちーじうばー)とは内容などはかなり違いますが。
李さんも勿論731を知っていました。

「どこの人?」と聞かれたので、
ちょっと気が引けましたが、
正直に「日本人」だと答えました。

その後、731までの道すがらハルビンに対する感想や、
いまの日中の諸事情のこと、
お互いの家族や友人のことなどを話すうち、
李さんとはすっかり打ち解けることができました。

終いには追加料金無しで、
731の外で帰りを待ってくれるとまで言い出し、
実際に1時間ほどの間、
無償で待っていてくれたのです。

こうした「男気のよさ」は
ハルビン市の男性の特徴なのかもしれません。

中国留学・北京事情・中国の大学-加藤嘉一

明日は侵華日軍731部隊遺跡の
内部の雰囲気をお伝えします。
残念ながら写真撮影はできませんでしたが、
その骨子はお伝えできるはずです。


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2006年8月17日(木)

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