第288回
中国の鉄道による移動事情
広大な中国を移動するに当たり、
中国の一般の人々の足となるのが鉄道です。
各省市の主要都市であれば飛行機が網羅していますが、
中国の一般庶民からするとチケットはまだまだ高く、
一部のお金持ちか出張で会社の経費で利用できる人々が
利用者の大半を占めるでしょう。
また、主要都市以外になってくると、
空路だけではカバーしきれませんので、
やはり鉄道路線が重要な役割を果たしています。
鉄道のチケットには、
主に以下の5つの種類があります。
(1)席なし
(2)硬座
(3)軟座
(4)硬臥
(5)軟臥
(1)から(5)になるにしたがって、
チケットの価格は高くなっていきます。
移動する区間にもよりますが、
一般的にその料金体系は(1)の席なしが最も安く、
(3)軟座が(2)硬座の2倍近く、
そして(5)軟臥が(4)硬臥の数割増し
と考えておけばいいでしょう。
まず(1)の席なしですが、
これは文字通り座席指定が無く、
到着地まで立って、あるいはその辺に座って、
はたまた勝手に床に寝転がって移動しなければなりません。
中国の中でもお金が無い人々は、
この(1)席なしで移動することがままあるようです。
そして(2)の硬座ですが、価格が安いだけあり、
座席指定の中では最も座席が狭く、
椅子のすわり心地も良いとはいえません。
しかし、数時間以内の移動であれば、
我慢できる程度の座席であり、
周りの一般的な中国の人々との交流も
楽しいものです。
(3)軟座ですが、硬座のシートよりも
かなりゆったりした椅子に腰掛けることができ、
移動中にコンピュータを開いて仕事をすることなども
出来る程度の広さがあります。
(2)の硬座ですと、横の人との距離が余りに近いため、
なかなかコンピュータをいじる気にもなりませんが、
(3)軟座の車内では、PCを操作している人の姿も
ちらほらと見受けられるようになってきています。
明日は(4)硬臥の車内の事情をみていきましょう。
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