第292回
世界文化・自然遺産:泰山
中国には世界遺産に登録された場所が
すでに30箇所以上あります。
ユネスコの認定する世界遺産には、
主に高度な文化物を認定する世界文化遺産と
世界的に見ても稀有な自然を認定する
世界自然遺産の2種類があります。
さて、中国には自然遺産・文化遺産に認定された
箇所が多くあるものの、1987年にその両方に認定されている
泰山のような例はやはり貴重な遺産です。
泰山は、山東省泰安市にあります。
山東省の省都である済南市の南に位置し、
済南から電車で40分、
バスで1時間程度の距離にあります。
また、省都である済南市に空港はあるものの、
泰山のある泰安市にはありませんので、
最終的なアクセスには
電車から車を利用する必要があります。
首都の北京から電車ですと、
最寄りの泰山駅まで約8時間程度かかります。
料金は硬臥が140元程度、軟臥で200元強です。
泰山の標高はそれほど高くはなく、1,545m程度です。
日本の富士山の半分以下というところでしょうか。
ですが、麓の高度が海抜0mに近いために、
登山コースにも寄りますが
頂上までの距離は10キロ程度あります。
登頂には3−4時間程度かかるのが一般的です。
また、泰山は道教の聖地である
5つの山(五岳)の一つであり、
その五岳の中でも最高峰の山であるとされています。
かつての皇帝や国家主席など、
多くの人々がこの泰山を登りました。
中国では誰もが知っている山の一つです。
北京や上海といった都市部からも
往復だけで一日かかってしまう泰山ですが、
泰山のある泰安市には多くの宿がありますので、
インターネットなどで検索すれば
手頃な宿泊先を簡単に見つけられます。
しかし、泰山近辺では
いわゆる高級ホテルというものはなく、
宿泊の楽しさ・快適さを求めることは難しいでしょう。
最も登山客が多いのが
5月から9月頃までの夏とその前後ですが、
日中の登山はかなり暑くなるため、
夜中に登る人々も少なくありません。
逆に、夜中の登山は涼しくて快適なのですが、
電灯がないと道は見えず、
また頂上に差し掛かるに連れて気温がぐっと下がり、
防寒対策も必要です。
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