第295回
タクシー料金は所得水準の指標?
中国の幾つかの都市を訪れてみると、
交通手段のタクシーの料金一つを取っても
複数の異なる料金体系があるのが分かります。
中国の首都である北京や
その他の発展した地域では、
初乗り運賃が10元から始まり、
また天津市・黒龍江省、遼寧省などでは8元、
吉林省、山西省、山東省などでは
5元からといった具合です。
タクシーの初乗り運賃と
その後のメーター料金は、
各地方の所得水準にある程度連動しているとみて
いいのではないでしょうか。
広大な中国を移動する際に、
各都市までは飛行機や電車でアクセスできますが、
その先はタクシーを利用するのが一般的でしょう。
その地域の所得水準を知る際に、
まずタクシーの料金を比較してみると、
中国の中でも「どの辺り」に所得ランクが位置するのかが
ざっくりと掴めるのではないでしょうか。
また、タクシーの運転手は
殆どがその地域に土地勘のある地元民ですので、
運転手の雰囲気を比べてみるのも面白いでしょう。
北京は政治の話が好きで
プライドが高いのだろうとか、
黒龍江省は割りと男気があるなとか、
上海は気が早くて長い時間待てないとか、
天津は朗らかな人が多いとか、
地域によって様々なタイプがあるものだと
タクシーの運転手からも感じられるものです。
各都市でタクシーを利用する際には、
ただ単にその場での足と考えるのではなく、
タクシー料金がその地域の所得水準の指標の一つであり、
また運転手が地域男性の一つの性格を表していると考えると、
移動の時間も楽しい観察と学びの時間に変わりますね。
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