中国って、本当のところどうなの?

第301回
中国人の「問題ない」は、問題あり?

中国人が口癖のように言う言葉に、
「問題ない」(没問題:めいうぇんてぃ)
というものがあります。

状況が芳しくないのではないかとか、
心配されるような時に質問をされた中国人が、
決まって発するこの台詞は、
文字通り「問題ない」とは受け取れないことが
ままあります。

というのも、多くの中国人が気安く
「問題ない」と言い過ぎる傾向があり、
本当は問題があっても自分の面子を保つために
問題を隠そうとする傾向があるのです。

中国留学・北京事情・中国の大学-加藤嘉一

何か問題があったときには、
すぐに問題を明らかにしてくれた方が
問題が大きくなる前に対処できるのですが、
「ばれなければ問題は問題ではない」という
誤った考え方の中国人も多いために、
「問題ない」はずの状況から派生する問題が
中国には多くあるように思えます。

自分が失敗してしまったことや、
弱い自分であること、何か問題を抱えていることなどを
正直に人に打ち明けるのは、勇気のいることです。

しかし、問題がさらなる大きい問題になる前に、
素早く問題の所在を人々に開示し、
解決策を打つのが大人の対応というものです。

中国留学・北京事情・中国の大学-加藤嘉一

「問題がある」と伝えてしまうと、
一時的に「問題を抱えている」という
レッテルを貼られるかもしれませんが、
それを素早く解決するならば、
「信用に足る大人」と人々から信用されるようになるでしょう。

中国留学・北京事情・中国の大学-加藤嘉一

SARSが流行した数年前、
信用が何より大切な医療機関から発表された情報は、
「問題を隠す中国人体質」を
悪い方向で良く表してしまいました。

結果として、対応が遅れて多くの人を無駄に死に追いやり、
中国の医療機関に対する世界の信用を
ことごとく失墜させてしまったのです。

中国留学・北京事情・中国の大学-加藤嘉一

大きな組織であれ、街のレストランの服務員であれ、
彼らの発する「問題ない」という言葉が
本当に問題なくなる日は遠い先の話かもしれません。

しかし、長期的に多くの人々から信用に足る
面子・プライドを築いていきたいのであれば、
場合によっては「問題がある」と言える勇気を
しっかりと持っておく必要がありますね。

中国留学・北京事情・中国の大学-加藤嘉一

←前回記事へ

2006年9月13日(水)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ