第303回
まだまだ伸びる中国の携帯電話市場
中国における携帯電話サービスの加入人口は、
2005年末の時点で3億9300万人、
2006年には4億人を既に超えており、
北京オリンピックのある2008年には
5億3000万人にまで達するとみられています。
さて、日本と中国の携帯電話の端末を比べてみると、
日本の携帯電話の方がその価格に対して
性能が総じて高いのですが、
中国では高額な機種にも人気が集まる傾向があります。
というのも、多くの中国人にとって、
携帯電話は通話をするコミュニケーションの
ツールという役割だけでなく、
対外的なメンツを維持・誇示するための道具としても
大切な役割を担っているのです。
中国で販売されている携帯電話でも、
安いものでは100元(1500円)程度から
手に入るものがありますが、
こうした安価な携帯電話は
性能も最小限のスペックであり、
通話やバッテリーなどの品質面でも
劣悪なものが多いです。
また、ある程度の機能やデザインを求めるとなると、
軽く1000元以上(1万5千円)の値段となり、
日本の携帯電話と比べても、
かなり高級機種に相当する価格帯となります。
これは中国の携帯が高いというよりも、
世界的にみると、日本の携帯電話の初期購入費用は
かなり安いといえます。
日本の場合、携帯の購入に際して
携帯電話のキャリア各社が
開発・購入費用の補助を行っており、
その代わりに毎月の利用料として
世界的にみても割高な基本料金が設定されているのです。
逆に、中国の場合は携帯端末の購入に際して、
携帯キャリアからの補助が殆どなく
端末が高額になる反面、毎月の基本料金が殆どかからず、
維持コストが安く上げられるという長所があります。
明日は、中国の携帯電話が
単なる通話の道具ではない「メンツ商品」と化している
状況をお伝えしましょう。
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