第304回
携帯電話はメンツ商品?!
日本と中国とでは、
携帯電話ユーザーの携帯電話端末に対する思い入れは、
相当に異なるようです。
日本で携帯電話といえば、
まず通話の道具であり、情報の送受信をする
ネットワークに繋がるための手段となってきています。
携帯電話は各種「コミュニケーションの道具」
として認知されており、日々の生活の中での
様々なコミュニケーション機能を保管する役割を
担い始めているのです。
しかし、中国においては
携帯電話が庶民にとって非常に高い買い物であるため、
高い携帯電話を持っていること自体が
「1つのステータス」を表すモノとなっているのです。
安い携帯電話でも基本的に通話はできるのですが、
中国人の多くの人々が、できれば「高価で見栄えの良い」
携帯電話を保有したがり、各人の所得の額と比べると
大変に高額な携帯電話を購入する傾向があります。
日本の学生と比べると、
アルバイトの時間などが少なく
殆ど収入がない者も多い中国の学生たちですが、
彼らの持つ携帯電話をみてみると、
軽く1000元以上(1万5千円)するものがざらであり、
中には数千元(数万円)という高額な機種を
持ち歩く学生もいるほどです。
大卒の初任給が2-3000元であることを考えると、
初任給と同程度の携帯電話を持つということからも、
携帯電話に対して抱く大変な熱意が窺えます。
仮に、2000元(3万円)の中堅スペックの
携帯電話を持っているというのは、
日本で言えば携帯電話の端末購入に
20万円程度かけているようなものなのです。
諸外国から中国に来た人々を見ていると、
携帯電話の購入にはそれほど熱を上げてはいないようです。
「電話が出来ればいい」と考える人も多く、
数百元の携帯電話で満足している人も多くいます。
こうした諸外国からの人々からすると、
所得の少ない中国人が携帯電話にかける想いには、
彼らの「メンツを保持する大切な道具である」といった
中国的なメンツを重視する考えがあると感じられます。
これが日本ですと、腕時計やカバンなどに
高級ブランドの製品を持ちたがる傾向がありますが、
今日の中国では携帯電話に
その役割が課せられているようです。
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