第307回
どこでも勝手に広告板
「人の目が留まるところ、すなわち広告スペース」
中国で生活をしていると、人の目が留まり
広告スペースとして利用価値のある場所には、
どこもかしこも何かしらの広告が
ちりばめられているものだと感じます。
また、正規の広告媒体やその枠を買って
広告を出稿するだけでなく、
無許可で勝手に広告を出すケースも珍しくはありません。
そんな街の「どこでも勝手に広告板」の事例を
いくつか見ていくと、現在の中国の混沌とした状況が
垣間見られるのではないでしょうか。
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普通の壁にもやたらと広告 |
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路上に薬の横流し募集広告 |
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北京大学内でも広告の上に広告 |
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公衆電話は広告搭でもある?! |
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広告で行き先の見えないバス路線図 |
こうして見てみると、その情報の伝え方たるや、
まるで初恋の相手に自分の気持ちを伝えたい
舞い上がった小中学生のようでもあります。
「相手に自分の気持ちを伝えたい」
という熱い想いが先走ってしまい
伝えられる相手の気持ちや
その告白を垣間見てしまう人々の気持ちなど
まるで考えてない場所の選び方なのです。
そこから「何かを伝えたい」という
並々ならぬ熱いパッションは伝わってくるのですが、
その伝え方が荒削りで怪しさ満点なあまり、
逆にデマーケティングとなっているのでは
とさえ思わざるをえません。
しかし、こうした「どこでも勝手に広告板」は、
中国のビジネス方式が次第に洗練されていくに連れ
やがて街から姿を消していく、
古き良き懐かしい光景になるのかもしれませんね。
(別に、こうした広告を肯定している訳ではありませんが)
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