イラストレーター・小泉鉄造さんが
明かしてくれる、株式投資の虎の巻

第159回
円高と株価

2004年1月7日、
外国為替市場で円高ドル安が加速し、
二ユーヨーク市場で3年4ヶ月ぶりに
1ドルが105円台になりました。
では今なぜ円高ドル安になっているのでしょうか。
今、アメリカは好景気で金利も日本より高くなっています。
為替相場では国に信頼があり、
経済が安定成長しており、金利が高いのであれば
その国の通貨に預金したら高い利回りになります。
その国の通貨に魅力がありますから、
当然その国の通貨が買われ高くなっていくはずです。
ならばドルの通貨が強くなって
ドル高、円安になっていいはずです。
ですが、今はドル高になっていません。
ドル高にならないのにはアメリカ自身に理由がありそうです。

アメリカは今「双子の赤字」という問題を抱えています。
双子の赤字の一つ目の原因は経常収支の赤字です。
経常収支の赤字とは、
アメリカの経済は好調ですから海外からの輸入が増えています。
輸入だけ増えて輸出が増えていない現状があります。
自国で海外からの売上げが少ないので
海外から入ってくる金額に対して、
海外に支払うお金は出て行くばかりとなっています。
アメリカが海外に支払ったお金が
売り上げた国のお金(自国の通貨)に換金しようとします。
アメリカドルは市中(世界中)に多く出回っていますから
自国の通貨に替えるために
多くのアメリカドルを出して自国の通貨に交換しようとします。
当然ドル安の原因になります。

二つ目の原因はアメリカの財政赤字です。
アメリカでは今回のイラク戦争で多大な出費を行いました。
加えて自国の景気刺激政策のために減税を行ってもいます。
このためにアメリカの財政は大きな赤字なっています。
今後赤字が増え続ければ
アメリカ自国の経済破綻にも繋がりかねません。
このような不安要因を抱えたアメリカの通貨は
今市場から敬遠されています。
この先、アメリカの通貨、ドルが
先行きやすくなる可能性がありますから、
アメリカドルを売って
他の通貨に切り替えて持ちたいという
投資資金がなくならない限りは、
アメリカドルは安くなると考えられています。
日本円はアメリカドルに対して
100円を上回る円高になる可能性もあります。



当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。


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