第1245回
借金と生活保護

投資家のジム・ロジャース氏は５年後、10年後
日本の経済が危ないといっています。
それはこのまま日本が
日本の借金に対して何も手を打たなかった場合、
そうなっていく可能性も出てくるというようにも見えます。
またこのままではそうなっていくでしょう。

子供手当てにしても、
子ども１人当たり月額２万6000円支給するとしていましたが、
民主党は2011年度以降の現金満額支給を断念するとともに、
2015年度までに基礎的財政収支（プライマリーバランス）の赤字を
2010年度の２分の１以下とするとの目標をだしています。

この子供手当てにしても国が赤字なのに、
その中からお金を出すのですから、
そのお金は子供に借金をさせているのと同じことです。
子供手当てにしても年間２兆円以上のお金が必要です。
お金をばら撒いて解決できる問題とは違うでしょう。
子供手当てに対しては反対している国民が多くなっていますが
国民意識としては妥当ではないでしょうか。
借金をして子供にお金をあげることを
一般の家庭では行うでしょうか。

お金をばら撒くのではなく、
もっとほかに効果のある政策があるのではないでしょうか。

いま働けない人が働けるように
保育所の数を多くするなどが急務となるでしょう。

日本で生活保護を受けている世帯は、
直近の数字では134万3944世帯となっています。

日本の世帯数は5000万を超えているとみられていますから、
37世帯に１世帯が生活保護を受けている計算になります。

37世帯に１世帯が生活保護を受けており、
政府が借金して子供に金を渡す、
それでなくとも日本の借金が883兆円あり、
国民一人当たりの借金が691万円あります。
このままでは、ねずみが大群になってその勢いがとまらずに
海に向かって突進して自滅するまで行進が止まらないように、
日本もそうなっていく可能性が高くなってきていることが
現実的に見えてくるような気がします。

ですが、一方で政府は黒字で経済は絶好調だという見方もあります。
日本の対外純資産残高が2009年末時点で266兆2230億円となり、
前年末比18.1％増えて過去最高を更新していました。
日本は19年連続で世界最大の債権国となっています。
このデータを見て日本国全体が世界最大のおカネの貸し手であり、
「日本国は世界最大の金持ち国家である」ということになります。
これだけを取り上げて
日本は安全だという見方を出しているところもあります。

ですが、対外純資産が266兆円だとして果たして安全かどうか。
また、たった266兆円ぽっちで
なんとかなるかという懸念もあります。
安全ならばすぐに日本は
日本の借金883兆円を減らしていけるはずで、
これができたら安全だということがいえます。

＜次回に続く＞