前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第31回
よくやるよ!

貸し店舗の中を見せてもらうと、
140平米の店には200平米もの広さの半地下が有りました。
壁には電気とコンピューターのコンセントが至る所に有りました。
「この設備だけで200万円くらいかかる」
と後で電気屋が言ってました。
しかし我々は電気屋でもコンピューター屋でもないので、
コンセントはそんなにいりません。
それに店も地下も広すぎて宝の持ち腐れです。
でも家賃は月に35万円ぐらいでしたから、
場所と広さを考えるとたいへん割安です。
私は、その場ですぐに借りる事に決めました。
PC屋はすでに店を閉めてはいましたが、
まだ家賃を払っているので
備品については交渉する権利があります。
新品のカーペットや
棚やコンセントなどの代金の280万円を要求してきましたが、
半額で手を打ちました。
買う時には営業権は有りませんでしたが、
売る時にはそれを次の借り手に要求できるように
賃貸契約をしました。
これでこの店を止める時に
お金を払っても入りたい人が現れたら売ることができます。

さて、店を始めるのに総額で3000万円ほど掛かりますが、
現金は半分しか貯まってませんでした。
半額を貯めたので、私は残りの半分ぐらいは
今度は銀行も貸してくれるものと当てにしていました。
ところが私の銀行はお金を貸してくれません。
銀行員は
「新しい店が今の店と客を取り合いになって、
全体の売り上げは増えないのではないか」
と言いました。
実情に合わない言い訳だと思いますが、
貸付の責任を取りたくなかったのでしょう。
一時期はマンションなどを買う時には
「もっと借りなさい」と必要以上のお金を貸し付けていました。
その後破産者が続出して
不動産のオークションがたくさん有りましたから、
そのとばっちりかもしれません。
でも他の所でなんとかお金の都合ができたので、
すぐに機械の購入のサインをしました。
サインの後でセールスマンのイェンスが言いました。
「もうすぐデジタルの時代が始まるのによくやるねえ。
俺にはとても出来ないよ」
「よくやるよ!」という感想はもっともかもしれません。
私にはやれるという確信が有りましたが、
私の確信とは無関係に事態は進行していきます。
しかしセールスマンがそんなこと言っていいのかなあ?


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2004年8月30日(月)

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