前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第200回
日本人お断りの寿司屋

カンボジア人のチュン達がオープンする寿司屋、
サッチー・スッシーのレセプション行ってきました。
日本の雰囲気をだしたいと言うので、
以前、友人の書いてくれた大きな書をお祝いに持って行きました。
新しい寿司屋は、中央駅からもそんなに遠くない、
良い場所に店がありました。
中に入ると、明るく広い店内はカフェテリアの雰囲気です。
新しくて小奇麗ですが、デンマーク人のやっている店の
抜群のセンスにはとてもかないません。
壁にかけてある大きな絵は良いとして、
額縁の角がずれて、塗りも少々はげています。
私の最初の写真屋の店と同じような
“大丈夫かなあ?”という感じが多少ありました。
出てきた寿司は、鮭、太い人参、アボガドなど、
日本のすし屋ではあまり見られない材料を使った健康食品風でした。
巻き寿司は、
巻いた寿司の両端もキチンとお皿に乗って登場しました。

アメリカで働いていた日本人寿司職人を、
引き抜いてきた寿司屋がコペンハーゲンにあります。
そこに就職したチュンのカンボジアの義弟が、
寿司を習いながらコックをしていたのでした。
メニューに寿司の種類が大変多かったのには驚きました。
義弟の習った、アメリカ風メニューなのでしょう。
メニューは見るのも楽しいぐらい綺麗で、
多彩な寿司の他にも、味噌汁や丼ものなど色々あります。
義弟夫婦が、寿司屋で寿司を作って3年になりますが、
メニューを見れば、まったく初めてとは違うのが分ります。
しかし、寿司が好きな人達ではないので
「売れ残っても腹の足しにならないなあ」
と、私はみみっちいことを考えました。
味は“まあ、食べられるが、
わざわざ食べに来たいとは決して思わない”程度です。
しかし、コペンハーゲンでは、まったく初めての人達を含めても、
今のところ成功している店ばかりの状態です。
そういった店は
“日本人の口に合わないのが成功の秘訣の一つかもしれない”
と思わざるをえない味なのです。
日本人が来たい店にしてはいけないのかもしれません。

寿司はデンマークの小中学校でも人気の食べ物になりました。
ですから日本人とは味の好みの違う、
デンマーク人の食べ物になったのです。
チュンも今度は成功すればよいのですが。


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2005年4月21日(木)

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