前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第211回
蹴る不動産屋

デンマークのサッカー選手で、
海外で活躍したマイケル・ラウドラップという人がいます。
現在はデンマークリーグのトップをいくチームの監督をしています。

先日、彼の興した会社が
「コペンハーゲン市内の賃貸マンションの建物を買います」
と新聞に広告を出しました。
「立地が良くて、完全入居のマンション」が希望だそうです。
2億円から4億円くらいのものを、
トータルで数十億円買いたいとのことでした。

日本と比べると随分安く感じますが、
コペンハーゲンの建物は小さいのです。
建物の持ちが良いので、古くて、
多くは日本の明治や江戸時代からあるものです。
2〜4億円では6から24世帯くらいの建物が買えて、
利回りで現在は2.0%から5%ぐらいになります。
ローンの利子は下っていますが、
変動性の利子が初めて導入されて益々下がり、
4月は2.6%前後でした。

デンマーク国内では現在、投資の対象を見つけるのが難しいのです。
それに、利子が下がってお金が借り易くなったことなどで、
不動産の値段は上がり続けてきました。
それでもコペンハーゲンは、他のヨーロッパの都市と比べると、
まだ割安感があるようで、最近は外国から買いが入っています。
不動産は他の物価の何倍も上がったので、
どんどん上がるような錯覚ができあがりました。
それで又上がっているのかもしれません。
専門家の何人か言っていますが、
もしここで、好調な経済が不況に変わったら、
不動産の値段は暴落するおそれはあります。
こういう話も、日本のような規模ではないので、
「上がった」とか「暴落」とか言っても、
桁が違って可愛らしいものですが。

ラウドラップはワインの輸入会社など、
幾つかの事業はやっているそうです。
しかし、資金の投入ばかりで、まだ成功していないそうです。
その彼が不動産を買い集め始めた、ということは
「そろそろ売り時ではないか?」と疑われたのでしょうか。
ラウドラップに売りたい人が多くて、
広告を見て「譲りたい」と、100件もの申し込みがあったそうです。


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2005年5月6日(金)

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