前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第221回
どうしたら子供を増やせるか?

ヨーロッパでも国の人口が減っていくのは問題になっています。
人間の数が減れば、
環境汚染も少しは収まって、よろしいようなものですが、
そうも行かないようです。
国単位で経済が独立しているので、
厚生年金その他、年をとったら困ることになります。
今は「貧しい国々の人口が増えて豊かな国の人口が減る」
というのが常識みたいになって、両方とも困っています。
しかしヨーロッパだけを見ると、
比較的貧しい南の国の女性の産む子供の数の方が
減っているそうです。
女性一人あたりの子供の数は、現在1.3人だそうです。
これは日本とあまり変わらない数字ですね。
デンマークは1.8人だそうです。
なぜそうなるか、出生率を向上させる方法があるのか、
デンマークの大学の研究者が意見を述べていました。

EUでは、20歳から49歳までの女性の就業率は、
子供が1人いる時と1人もいない時では、
どの国も差がないそうです。
そこで、ヨーロッパの女性の就業率を、
子供の数で統計を取ってみました。
すると、デンマークでは、子供がいなくても、1人か2人いても、
就業率は80%前後とまったく変化がありません。
子供2人では、ほんの少しですが、むしろ率が高くなっています。
EU全体ではこれが、
1人では66%、2人では58%と下がって行きます。
デンマークで働く女性が多いのは
「幼稚園、学童保育園等の充実など、先行投資の配当」
と、専門家は分析しています。

これで子供が3人になると、
デンマークでも3人に一人は働かなくなり、
EU全体では半分以上の女性が就業しません。
デンマークでは忙しいこととは別に、女性の給料が低い場合は、
働いてもトータルの収入が増えない、という理由があるそうです。
働くと、子供のいる家庭の補助が受けられなくなるのです。
ある専門家は、女性の給料が低いのは、
女性の産児休暇ばかりが長いため、と分析しています。
それで、アイスランドのように産休を
「母3ヶ月、父3ヶ月、両者自由に選べる3ヶ月とすべきだ」
と提案しています。
雇用者協会は
「私達は、それぞれの家庭の休暇の分け方に口を挟むべきではない」
と述べています。

日本でも夫婦で働き易い環境になれば、
子供の数も増えて、家庭の収入の低下を補えるようですが。


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2005年5月20日(金)

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