前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第235回
クリントンには気をつけて

通勤の途中で、本屋の前に長い列が出来ていて、
その周りには、武装した警官がたくさんいました。
警官の数の割には、なんとなくのんびりとしていて、
緊張感がありません。
見ると、並んでいる人の中の何人かは、
新刊の「私の人生」という
クリントンの分厚い自伝を手にしているが見えました。
クリントンは欧州では人気があり、デンマークでも人気者です。
後で知りましたが、クリントン元大統領は
その本屋でサイン会を行なっていたのでした。
サインしてもらい声をかけてもらった若い女性は
「非現実的で感覚が無くなってしまいました」
と、興奮した顔でテレビのインタビューに答えていました。
前日にも記者会見があって、キオスクの看板には
「クリントンはデンマーク女性がお気に入り」
と、新聞の広告がありました。
大統領と女性というと、デンマーク人ハーフの、
マリリン・モンローの昔から色々あるようで、
ルインスキーという人もいました。
米大統領の女性関係は、
しばしば注目されて映画にもなっているようです。

サイン会の前に首相との会談がありました。
その後は、政権を失って4年になる、
社会民主党の新党首との会談でした。
こちらの会談は30分の予定で行なわれましたが、
1時間たってもクリントンは会議室から出てきませんでした。
外で待っていた記者団は、面白い話が聞けるかと期待しました。
社会民主党の新党首は、32歳の華やかな美女だったのです。
記者団の期待に沿うかように、
クリントンは彼女を、米国で行なわれる、
世界のオピニオンリーダーの会議に特別招待しました。

ブランド物のおしゃれが好きで、流行に敏感な新党首は、
お気に入りのグッチのハンドバックが話題になりました。
選挙戦恒例の、赤いバラを手渡す選挙運動の時には、
彼女は、真紅のレインコートに真紅の帽子で街頭に立ちました。
その日は天気が悪かったのです。
このファッション雑誌のようなテレビ画面は、
後の党首選挙の時に何度も再登場しました。
彼女はクリントンとの会談の日は、
裾が大きなレースになっているスカートで登場しました。

新聞紙面の記事を面白くまとめる新聞のコラムには、
「ヘレ(社会民主党党首の名前)クリントンに気をつけて」
と、クリントン訪問の記事を結んでありました。


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2005年6月9日(木)

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