前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第241回
バックパッカー老若男女

私の若い中国人の友人が、1年間の旅に出かけたことがあります。
デンマークでは、最高1年間休んでから復職する権利は、
大体において認められています。
友人の勤めていたのは、日進月歩のITの会社だったのでした。
そこで、彼はそんなに長く抜けられないと判断して、
会社を辞めて世界旅行に出かけました。

大胆な人のようですが、実は慎重派の彼は、
ちょっと金目の物を持つと、強盗に襲われると思いました。
”あまりにもみすぼらしいと、
ホームレスかストリートチルドレンと思われて
腎臓を盗られるかもしれない”
とも心配しました。
そこでカメラも古い安物を持ち、ほどほどの服装をして、
現金はデンマークから、
先々の銀行に振り込んでもらうことにしました。
装備は勿論使い古したものを使い、バッグパックにまとめました。

彼は旅行中は筆まめで、世界のインターネットカフェから、
Eメールで私達友人に、逐一報告を送ってきました。
こういう時はEメールは本当に便利です。
ガラパコス群島に向かう船旅の、荒れる海の様子や、
チチカカ湖に向かう何も無い道で、
旅の仲間とバスを何日も待つ話。
密林の川に架かる高架橋でバンジージャンプをやる話。
自分の番になって”俺、いったい何をやっているんだ?”
と、自問するところなど、など、大変面白いのです。
おまけにチベットでは、
日本人のフィアンセも見つけて、今は結婚しています。

デンマークの最近のバックパッカーには異変がおきているそうです。
若者の特権みたいだった、こういった形式の旅行に、
高齢者が混じるようになったことです。
現代は何も「野ざらし」を覚悟しなくても、
年をとってからの異国の一人旅も、何とかやっていけるようです。
私達も旅先でそういう人達に出会ったことがありますが、
セルフコントロールが出来て、好奇心旺盛で、好ましいです。

高齢者の場合は、やはり若者とは目的が違います。
若い人は人との出会いに重点があり、
知らない街や村に当てども無く、どこにでも入っていきます。
高齢者の場合は、良く調べて下準備をしてから、
遺跡などのカルチュアを見学にいくのです。
最近は東南アジアが一番人気で、若者に混じって、
老人のバックパッカーがたくさん繰り出しているそうです。


←前回記事へ

2005年6月17日(金)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ