そんな税法があっていいのかとあきれる人がいるかもしれないが、それくらい思い切った政策をとらなければ、消費不足は解消しないのである。まさに逆転の発想だが、世の中が生産不足から消費不足に逆転してしまったのだから、発想そのものも逆転せざるをえない。効果があるかどうかは実行してみればすぐにわかることである。お金を使ったら税金をとるといえば、人間はお金を使うのを控えるが、お金を使わなかったら税金をとる、もしくは、お金を使ったら税金を負けてやるといえば、善は急げとばかりに大急ぎでお金を使いにまわるだろう。
その場合に何に使うかをいちいちうるさく穿鑿(せんさく)することはない。お金を使わせるのが目的だから、赤提灯で使おうとゴルフに行こうと、あるいは相撲見物に行こうと、領収書さえあれば合格である。たとえそれが非生産的な使われ方であろうと、非生産的な事業の事業主もまた納税者なのだから、国の税収にとっては大事なお客であることに変りはないのである。
ところで自民党税制調査会の皆さん、「お金を使わなかったら税金をとる」という考え方に賛成できますか。できない人は、次の選挙では辛うじて当選しても、そのまた次は難しいでしょうね。また大蔵省の役人の皆さん、もし発想の転換ができないようなら、「つくれば売れた時代」の終焉とともに選手交代をしていただかないといけないようですね。
もう物の売れる時代ではなくなったのですから。
(一九九八年五月十一日執筆、『Voice』九八年七月号発表)
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