しかし、いずれ直面しなければならない現実であってみれば、それと気づいた瞬間に早速にも取りかかるのが正しいと思う。ただしそうはいっても、「風にそよぐ葦」のようにちょっとした風のたびに動揺しているわけにも行かないから、「どうも駄目らしいな」と思っても、すぐにはやめない。「石の上にも三年」というが、三年は頑張ってみる。三年頑張ってもいっこうに好転するキザシがない場合は、やめるきっかけを真剣になって考える。つまり、「石の上にも三年」とは、三年頑張っても駄目な仕事は早くやめろ、という意味に私は解釈しているのである。 どうしてかというと、いまのように情勢変化の激しい時代には、一つの景気のサイクルが三年や四年にすぎず、そのサイクルにうまくかみあわなかったら、それは計画違いだったと考えるのが正しいと私は思っているからである。人生は短いのに、間違ったことに何年も手こずっているようでは、あっという間に人生が終わってしまう心配もあるからである。
もっとも、私がこんなことをいっても、私のように「見切り千両」の実行できる人はあまり多くないだろう。見切るということは、自分の腕を自分でぶった切るようなものであるから、誰だって躊躇する。躊躇するのが人間として当然の心理なのである。しかし、その結果、腕だけでよかったのが身体中に転移して、もはや手遅れということになってしまうことが多いのである。
だから、「転業をするから、まだ足元の明るいうちに」というのがギリギリの最後の限界である。
それでも、まだ救いのあるのは、現実に腕や足をちょん切るのと違って、失ったお金は、陣営の立て直しさえきけば、あとでまた完全に修理がきくことである。一時的に全財産を傾けるくらいのことは、それほどたいしたことではないのである。
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